宇治青年団による寒参り(稲荷講)

2015年01月24日(土) 宇治青年団による寒参り(稲荷講) (車、徒歩)

いつも情報をお寄せいただくKさんから宇治青年団による寒参り(稲荷講)へのお誘いをいただいた。Kさん自身は宇治の住民ではないのだが、寒参りに参加したくていろいろと手を尽くして参加できる機会を探っていたとのこと。Kさんに誘っていただいたおかげでとても貴重な体験ができたのだった。また、宇治の皆さんも違和感なく受け入れていただきありがたかった。(皆さんに感謝)

今回の寒参りでは宇治地区にあるお稲荷さんを巡ったのだが、次の3点がとても印象に残った。
(1)初めて寒参り(稲荷講)に参加できたこと
(2)子供たちが多数(参加者の3分の1くらい)参加していたこと
(3)内宮の普段は入れない場所にあるお稲荷さんにお参りできたこと

実はこの寒参りに参加する前に伊勢市史を読んで予習していたところ
伊勢市史第8巻-民俗編、第三章 信仰と生活、第三節民間信仰の神仏と諸堂の節、神宮新域内の稲荷の項には次の通り記述されている。

 内宮の風日祈宮の奥にある楠大木の根元の「おさぶ稲荷」は、文久元年(一八六一)の「宇治郷之図」に「おさぶ女郎」と記されているが、『神三郡神社参詣記』(一二〇頁)には次のような伝承が記録されている。

〇三味線谷 丸山辺の谷をいふ
内宮風之宮後より西の方に行て見れハ、大木枯木三本たをれあり、大きサさし渡し凡九尺余もあると云木もあり、諸人此木さわるへからず祟あると申、宇治の人の咄しにハ、此所の御神ハヲサユ御前又ヲサブ御前トモ申、宇治大橋の東詰川の方のかゝりの内小山ト云内あり、其内の老母御山江行し時、右の御神、宮中の山神江ことづけを老母ニ頼ミ給ふ、此老母恐入て直ニ山神に申伝江奉りしト云、又其後ニ御山へ行たれバ姫宮さまに御姿をあらハし給ふて礼を申給ふト云、右小山老母ハ百五六歳迄も寿命をたもち、竹守りを一生の商売ト致してくらしたるト云 宇治川原勇蔵云人の咄しなり、我二十才計之時右老母生て居られしト云、此人ニ慶応元年六月ニ聞なり

ここで紹介されている「おさぶ稲荷」については以前からも噂には聞いてたのだが、訪れる機会もなく記憶から消えていた。

なお、伊勢市史のP.528には

現在も「姫宮」へは代参がたつが、「おざぶ」稲荷は平成十二年より取りやめられている。

との記述があり夜間に内宮へは立ち入れないのではないかと諦め気分で、集合場所であるおかげ横丁の常夜燈へ向かった。(集合時刻は夜の7時)
実家に車を駐めて古市街道を歩くと桜木町の常夜燈を過ぎ、

古市街道、大常夜燈(伊勢市桜木町)

古市街道、大常夜燈(伊勢市桜木町)

 

牛谷坂を下った。

牛谷坂(伊勢市桜木町)

牛谷坂(伊勢市桜木町)

 

空には月が輝いていた。

牛谷坂(伊勢市桜木町)から望む月

牛谷坂(伊勢市桜木町)から望む月

 

牛谷坂を下ると猿田彦神社。

猿田彦神社

猿田彦神社

 

宇治浦田町交差点を右折すると荒木田墓地の前を通過した。

荒木田墓地の説明板

荒木田墓地の説明板

 

この先に架かる姫小橋の近くにもお稲荷さんがある。建国寺稲荷。

姫小橋(荒木田墓所近く)

姫小橋(荒木田墓所近く)

 

さらに進むと内宮前バスのりばを越え

内宮前バスのりば付近

内宮前バスのりば付近

 

宇治橋前のロータリーから

内宮 宇治橋前のロータリー

内宮 宇治橋前のロータリー

 

宇治橋前へ到着。

内宮 宇治橋前

内宮 宇治橋前

 

「もしかしたらこの後で宇治橋を渡れるかも?」「いや、渡れますように!」とお願いして

内宮 宇治橋前

内宮 宇治橋前

 

宇治橋前を後にした。

内宮 宇治橋前

内宮 宇治橋前

 

すでに真っ暗となっているおはらい町通りを進むと

おはらい町通り

おはらい町通り

 

集合場所であるおかげ横丁入口の常夜燈に到着した。

宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講)の集合場所、おかげ横丁入口の常夜燈

宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講)の集合場所、おかげ横丁入口の常夜燈

 

常夜燈前にはKさんが待っていて、私が「はじめまして・・・」と切り出すと、「初めてじゃないんです・・・」とのこと。実は、1月3日に鏡宮神社および朝熊神社、朝熊御前神社で斎行された元始祭の場にいた方だったのだ。偶然か、必然か?

【参考】

 

宇治の方に紹介していただくと次の巡拝地図をいただいた。

宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講)の巡拝地図

宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講)の巡拝地図

 

この地図には参拝の作法とお稲荷さんの名前が記されていた。

宇治にある稲荷15カ所を参加者が
『寒中お見舞い、分けておあがり』と唱和すると、
冬の夜空に柏手が響くとか・・・

(1)天徳稲荷
(2)阿田邸内(名称不明)
(3)四ッ谷稲荷
(4)津長神社
(5)大水神社
(6)蓬莱稲荷
(7)丸山稲荷跡
(8)おさぶ(楠の大木の祠)
(9)こさぶ(杉の倒木)
(10)石井神社跡
(11)岩井田稲荷跡
(12)浜田邸内(名称不明)
(13)建国寺稲荷
(14)吉村稲荷
(15)浦田邸内(鎮守稲荷)

 

この地図を見るなり私の落胆は歓喜に変った。お参りできないと思っていた「おさぶ」に加え、その近くにまつられている「こさぶ」にまでお参りすることになっていた。

 

参加は20名が集合すると宇治青年団による寒参りが開始された。

今回の参拝順は次の通りで
(12)浜田邸内(名称不明)
(1)天徳稲荷
(2)阿田邸内(名称不明)
(3)四ッ谷稲荷
(4)津長神社
(5)大水神社
(6)蓬莱稲荷
(7)丸山稲荷跡
(8)おさぶ(楠の大木の祠)
(9)こさぶ(杉の倒木)
(10)石井神社跡
(11)岩井田稲荷跡
(14)吉村稲荷(※個人宅邸内)
(15)浦田邸内(鎮守稲荷)

先ほど通り過ぎた
(13)建国寺稲荷 (荒木田守武墓地近く、・・橋の奥)

は巡らなかった。

 

とりあえず、何枚か撮影した写真を列挙した。

宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講)

宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講)

 

【(12)浜田邸付近】

(12)浜田邸付近(宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講))

(12)浜田邸付近(宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

【(1)天徳稲荷付近】

(1)天徳稲荷付近(宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講))

(1)天徳稲荷付近(宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

【(3)四ッ谷稲荷】

(3)四ッ谷稲荷(宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講))

(3)四ッ谷稲荷(宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

【(4)津長神社付近】

(4)津長神社付近(宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講))

(4)津長神社付近(宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

【合格神社の参道入口を通過】

合格神社の参道入口付近(宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講))

合格神社の参道入口付近(宇治の青年団宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

【(5)大水神社】

(5)大水神社(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

(5)大水神社(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

【宇治神社】

宇治神社参道入口(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

宇治神社参道入口(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

宇治神社の参道(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

宇治神社の参道(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

【(6)蓬莱稲荷】

(6)蓬莱稲荷(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

(6)蓬莱稲荷(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

【(7)丸山稲荷跡】

(7)丸山稲荷跡(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

(7)丸山稲荷跡(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

【宇治橋前】

内宮宇治橋前(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

内宮宇治橋前(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

【宇治橋】

宇治橋(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

宇治橋(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

この後、風日祈宮へ向かうと風日祈宮に面して建つ番舎の脇から杜の奥へと進み、「おさぶ稲荷」、「こさぶ稲荷」にお参りした。祠はなく、ウロや小さな鳥居のみであったが、忘れらない体験となった。(来年も訪れたい。)

 

その後、神宮司廳の前を通り、内宮を後にすると山口祭の祭場となる石井神社跡へ向かった。

【(10)石井神社跡】

(10)石井神社跡(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

(10)石井神社跡(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

その後、

【(11)岩井田稲荷跡】

(11)岩井田稲荷跡(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

(11)岩井田稲荷跡(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

(11)岩井田稲荷跡(宇治の青年団による寒参り(稲荷講))

(11)岩井田稲荷跡(宇治の青年団による寒参り(稲荷講))

 

新橋で五十鈴川を渡り返すと

新橋にて五十鈴川を渡る(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

新橋にて五十鈴川を渡る(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

おはらい町通りを宇治浦田町交差点方向へ進んだ。

 

【(14)吉村稲荷付近】

(14)吉村稲荷付近(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

(14)吉村稲荷付近(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

【(15)浦田邸内(鎮守稲荷)】

(15)浦田邸内(鎮守稲荷)付近(宇治の青年団による寒参り(稲荷講))

(15)浦田邸内(鎮守稲荷)付近(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

(15)浦田邸内(鎮守稲荷)(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

(15)浦田邸内(鎮守稲荷)(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

今回は14ヶ所のお稲荷さんに油揚げをお供えし、『寒中お見舞い、分けておあがり』と唱和すると柏手を打った。素晴らしい時間だった。(来年も参加したい。)

そして、最後にはおでんの振る舞いまでいただいてしまった。突然の外部からの参加にもかかわらず快く受け入れてくださった宇治の皆さんに感謝、またこんな素晴らしい機会を与えてくださったKさんにも感謝!

寒参りを終えて武雷庵(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

寒参りを終えて武雷庵(宇治青年団による寒参り(稲荷講))

 

今度は、昼間にこのコースを巡ってみよう!、ただし、民家の敷地内にまつられているお稲荷さんも多いので外から眺めるだけになってしまうが、不審者と勘違いされないように気をつけよう。

そんなことを考えながら帰路に着いた。

宇治浦田町交差点

宇治浦田町交差点

猿田彦神社

猿田彦神社

 

【 20150124 の記録 】

 

  • 宇治青年団による寒参り(稲荷講)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です