八房の実のために花を散らす臥竜梅公園(伊勢市御薗町新開)

2016年03月19日(土) 八房の実のために花を散らす臥竜梅公園(伊勢市御薗町新開) (徒歩)

伊勢市御薗町新開、民家に囲まれた中にある臥竜梅公園を訪れたのは2月の終わりで、3月6日に行われた梅祭りを訪れることができなかった。

【参考】

 

しかし、こちらの臥龍梅は「八房の梅」とも称され花だけでなくその実でも楽しませてくれる。結実するのは3月下旬頃だろうが、現状を確認するために「ほっつき歩き」で立ち寄った。

臥竜梅公園(伊勢市御薗町新開)

臥竜梅公園(伊勢市御薗町新開)

 

説明板によると

臥龍梅(がりゅうばい)
(昭和四十六年八月一日 伊勢市指定天然記念物)
新開の臥龍梅は、齢一千餘年と称せられる。人皇六十代醍醐天皇の御代菅原道眞公は、右大臣として仕えていたが、左大臣藤原時平の中傷により、延喜元年(西 暦901)太宰権帥(だざいごんのそつ)に左遷され、御心憂のうち、延喜三年(西暦903)配流の地に没した。その間、御傍に仕えていた今村刑部師親(い まむらぎょうぶもろちか)に、このまま筑紫の果てで朽ちてしまったら、身に負う冤罪(えんざい)を雪(すす)ぐことすらできないと、崇敬(すうけい)され ていた伊勢神宮に代参させて、日ごろ賞愛の梅を伊勢の地に奉納植樹させ冤罪(えんざい)の晴れるのを祈願した。
その梅が臥龍梅であり、「コノ梅ハ成長シ、日本無双ノ名木トナルベシ」と申されたと「勢陽五鈴遺響」に綴られている。
現在も臥龍梅は、春二月から三月にかけて、花は紅白の八重で一つの花にめしべを多数もち、実を多く結ぶという珍しい梅で「座論梅」とも又「八房の梅」(三 重県植物誌)とも呼称されている。新開区で管理し、枯死寸前になった臥龍梅の保存のため、枯木の素木を、実生、さし木、接木等により、若木を育成し補植し ている。
(参考文献)
勢陽雑記・勢陽五鈴遺響
三重県植物誌・臥龍梅小誌
御薗村誌
伊勢市教育委員会

 

公園内に咲いていたほとんどの花は散ってしまっていたが、この木だけは辛うじて花を残し、そこには菅原道真の歌が添えられていた。

今年最後に花を散らす梅の木(臥竜梅公園)

今年最後に花を散らす梅の木(臥竜梅公園)

 

こちふかばにほひ
おこせようめのはな
あるじなしとて
はるをわするな

 

この花が散れば、八房の梅が実を付け始めるのか?

今年最後に花を散らす梅の木(臥竜梅公園)

今年最後に花を散らす梅の木(臥竜梅公園)

 

浮かべる花弁もなくなり、寂しくなった菅原神社の手水石。

菅原神社の手水石(臥竜梅公園)

菅原神社の手水石(臥竜梅公園)

 

臥竜梅公園の片隅にひっそりと佇む「一臥竜梅」に挨拶を終えると公園を後にした。

八房の実をつけるためにすでに花を散らした一臥竜梅(臥竜梅公園)

八房の実をつけるためにすでに花を散らした一臥竜梅(臥竜梅公園)

 

なお、新開臥竜梅・八つ房の梅(まさふみ)さんの ブログ では、臥竜梅公園の様子、八房の梅の変化を日々、紹介してくれています。八房の梅の見頃を知ることができます。(感謝)

【参考】

 

 

【 20160319 の記録 】

 

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