2017年12月16日(土) 油蔵ほか榎本三右衛門邸見学(伊勢河崎まち歩きのオプショナルツアー) (徒歩)
私が最も楽しみにしていたのは、地元ツーリズム「ブラタモリ案内人と行く伊勢河崎のまち歩き」のオプショナルツアーだった。それは河崎の勢田川の左岸に建つ赤レンガ倉庫(油蔵)だった。案内人である千枝大志さんがこちらの所有者である榎本さんに特別な公開をお願いし実現した企画だった。
私が伊勢市内で知る赤レンガ倉庫は神社港にある塩倉として建てられた1棟とこちらの油蔵のみだ。塩倉については外観を間近で、さらにはその入口の鉄扉まで拝見したことがある。
【参考】
- 神社港歴史散策(みなとまち館、赤レンガ塩倉) 2010年11月13日
- 続・神社港歴史散策(その2) 2011年07月10日
しかし、河崎の(榎本三右衛門邸の)油蔵についてはいつも側を通っているもののその内部を伺い知ることすらできずにいた。本日のツアーでも宇治山田駅から伊勢河崎商人館へ移動する際にその脇を通過していたのだが・・・
(こちらが油蔵の側面)
町家とうふでの美味しい昼食でツアー本体を終えると希望者のみがオプショナルツアーに再出発した。南新橋辺りから勢田川の左岸を宇治山田駅からの移動ルートと逆行して歩くと、船回し場を過ぎた辺りで前方右方向に赤レンガが見えてくる。
参加者の足は迷うこと無くその方向へ進んでいった。案内人の千枝さんが所有者である榎本さんに挨拶すると早速見学が開始された。(今回、榎本さんより撮影およびネット掲載の許可をいただいたのでここに紹介する。)
入口の鉄の引き扉を開けると
その中には柱もない空間が広がっていた。四方にかなりの高さまで赤レンガが積まれ、屋根の構造は木造だった。しっかりした作りで横浜の赤レンガ倉庫と同年代に建設されたそうだ。なお油蔵だけに油が漏れた跡があり、蔵内にはその臭いが漂っていた。
榎本さんの説明を聞きながらも
初めて見る内部が気になってしまう。私の背では届かないような場所に黒い手形が残されていた。(?)
また、入口の上にはこのようの半円形となるようにレンガが配置されていた。疑問に思い
壁の厚みを感じながら外へ出ると
入口の外側にはこのようにレンガが配置されていた。
また入口の両脇にはこのような突起があり不思議に思ったら、これは入口に設置されていた下屋を支えるための受けだった。
この蔵の他内蔵も含めると6棟の蔵を所有する榎本三右衛門邸では維持修繕にも多大な費用がかかるそうで、リノベーション等の利活用も進めたいとのこと。この蔵は先程の油跡については問題なく処理できるそうなので、利活用したい方はぜひとも私までご連絡を!(取り次ぎます)
以上で油蔵の見学が終了したのでオプショナルツアーは終了だと全員が思っていた。ところがこれからが嬉しい誤算だった。榎本さんからは「時間があれば中庭も・・・さらに他の蔵も見ていく!」と。参加者は「はい!」と即答。
こちらの蔵は整理中とのこと。
なお、以前は油蔵の前には洋風の庭園があったが今は駐車場になっている。さらに中庭は和風庭園となっていてそこから赤レンガ倉庫を望むとこんな感じだ。
この後は内蔵も含め今はほとんど使われていない榎本三右衛門邸を隈なくと言うほどに案内していただいた。(今後、地元ツーリズムであらたなコースとなる可能性があるため、これ以降は詳細は語らすに写真のみの紹介に留める。それにしてもスゴイお宅だ。)
榎本三右衛門邸の見学を終えて出てきたのは河崎本(表)通りで、モナリザの前だった。ここも見慣れた場所だった。
今回は油蔵のみの見学だと思っていたら、予想に反してここまで拝見できるとは榎本さんに大感謝だ。