2015年06月13日(土) 高潤生 個展「養怡(ようい)- なごむ心を養う -」(伊勢和紙ギャラリー) (徒歩)
私がお気に入りのギャラリーである伊勢和紙ギャラリーから新たな個展の案内状が届いていた。今まで観賞させていただいたのは写真展、写真と書のコラボ展などであったが、今回は『高潤生 個展「養怡(ようい)- なごむ心を養う -」』で、私にとっては観慣れない「現代印作・かな篆刻・書」の展示だった。
「現代印作・かな篆刻・書」に馴染みのない私はしり込み状態だったが、作者である高潤生さんによるギャラリートーク(予約制)が開催されると知り、急きょ伊勢和紙ギャラリーを訪れることになった。
外宮や月夜見宮など多数の寄り道を終えてたどり着いたのが本日の最終目的地であった大豊和紙工業株式会社。伊勢和紙ギャラリーはこの建物の二階であるが大豊和紙工業株式会社への入口はこの先(建物に向かって右手方向)にある。
その入口にある門の左側には
伊勢和紙館の看板と「神宮御用紙製造場」と刻された石柱がある。神宮御用紙とは伊勢神宮の神札等に使用される和紙のことである。
また、伊勢和紙館の看板の左端には現在開催されている個展のポスターが掲示されていた。
高 潤生 個展 「養怡(ようい) -なごむ心を養う-」 現代印作・かな篆刻・書
会期◎2015年5月30日(土) – 6月28日(日) 9:30 – 16:30 (6月7日(日)・14日(日)・21日(日)は休館)
会場◎伊勢和紙ギャラリー6月13日(土) 13:00と15:00よりの2回、作者によるギャラリートーク。(予約の方のみご入場)
「篆刻体験会」も開催 (材料費400円) 6月20日(土)・27日(土) 13:00~16:00
門を入るともう慣れたもので敷地の左奥へと進んだ。少し時間があったので伊勢和紙ギャラリーのある建物の手前にまつられている
三輪神社にお参りした。会社や個人の敷地内にある神社はお稲荷さんが多いがこちらは「三輪神社」、社名からするとあの大神神社の関係なんだろうか。(今度訪れた時に確認してみよう。)
いつものように引き戸をガラガラガラと開けて、伊勢和紙ギャラリーへ。
二階のギャラリーへ向かうとすでに多数の参加者が集まっていた。顔見知りの方が多いようで会場はすでに和やかな雰囲気だった。私は見慣れない作品を鑑賞しながら開始を待っていた。
参加者の到着が遅れていたため定刻を少し過ぎた頃にギャラリートークが開始された。なお、作者である高潤生さんのプロフィール等はご自身のホームページに詳しく紹介されているのでここでは省略する。
【参考】
最初に今回のテーマである「養怡(ようい)」の意味についての説明があった。「怡」とは愉快な心の状態を表す言葉で、「養」は文字通り養うこと、よって「養怡」とは副題の通り「なごむ心を養う」となる。
高さんは優しい語り口で笑いを交えたまさに「養怡」のギャラリートークとなった。
作品は墨書と篆刻を現代風にアレンジした作品の数々、伊勢和紙ギャラリーのメインギャラリーに13点、サブギャラリーに11点、さらにエントランスに6点と敷地の入口に建っている伊勢和紙館に2点で合計32点が展示されていて、ギャラリートークではメインギャラリーとサブギャラリーに展示されている作品についての解説が主となった。
墨書では単に技を見せつけるだけの作品ではなく、さまざまな字体を組み合わせて、一般の方でも読める、楽しめる配慮が散りばめられていた。また、「かな篆刻」は7cm角の石に抽象化した「かな」や「漢字」を彫りその印影をコンピュータで着色して和紙に印刷するなどアナログとデジタルの効果的な融合が見られた。また、長尺の耳付きの和紙に印刷したかな篆刻は海外でも人気が高いそうだ。
このように、テーマ「養怡」を観る側が実現できる作品の数々だった。とくに「かな篆刻」でタイトルからそこに彫り込まれている文字を見つけ出す楽しさ、ワクワク感が・・・
ただ単に観ているだけでも興味深いが、高さんの解説を聞くとさらにその深さを感じることができる。
ここでそれぞれの作品について説明することはできないので、ぜひともギャラリーを訪れてご覧ください!
「養怡」を感じることができる作品展です。
一時間半を超えたギャラリートークが終わるとすでに閉館時間を過ぎていたが、しばらくはトークの感動に浸った参加者が作品を観入っていた。
以下は、高さんに許可をいただいて撮影した作品ほか。
また、ギャラリートーク終了後も高さんは作品に対する質問には熱心に応えてくれていた。
すべての作品が個性的で、それぞれが興味深く、ワクワク・・・
これは石垣を連想して書いた墨書。まさに文字が石垣のように見えてしまう。
こちらがかな篆刻の一作品。
サブギャラリーには私の特にお気に入りが二点あった。
こちらのタイトル「為(なす)」
甲骨文で本来は上を向いているものを横向きに書いたそうた。象が描かれているのだが、私にはその鼻先に「飛行機」が飛んでいるように見えた。一度見えたら「飛行機」と「象」にしか見えなくなった。まさに「養怡」。
また、もうひとつの作品は
こちら「天人合一」で「人」よりも「天」の方が人に見えてしまった。これも「養怡」だった。
すべての作品に高さんの人柄が現れているようで、全てが個性的でワクワクさせてくれる作品群だった。また、鳥羽市にある大庄屋かどやにてコラボ展を開催する予定があるそうだ。
【 20150613 の記録 】
- ジャガイモ掘りと鴨下神社(皇大神宮末社)参拝
- 地鎮祭の名残(宮後町公会堂の建設予定地にて)
- 第8回 美し国三重『寄せ植え』コンテスト
- 外宮 勾玉池の菖蒲園、見頃
- またまた移動していたお気に入りの丸い石(外宮の古殿地)
- 高潤生 個展「養怡(ようい)- なごむ心を養う -」(伊勢和紙ギャラリー)