第五回 伊勢和紙プリントの会作品展とギャラリートーク(伊勢和紙ギャラリー)

2016年10月08日(土) 第五回 伊勢和紙プリントの会作品展とギャラリートーク(伊勢和紙ギャラリー) (徒歩)

伊勢和紙館(大豐和紙工業株式会社)から次の案内をいただいた。

伊勢和紙館からのお知らせと第五回 伊勢和紙プリントの会 作品展のはがき

伊勢和紙館からのお知らせと第五回 伊勢和紙プリントの会 作品展の はがき

 

作品展の案内はがき

第五回 伊勢和紙プリントの会・作品展

会期 ◎ 2016年10月2日(日)~10月30日(日) 9:30~16:30
(10月9日(日)・16日(日)・23日(日)は休館、最終日は15:00まで)
会場 ◎ 伊勢和紙ギャラリー (大豐和紙工業株式会社 内)

 

に加え、添えられた「伊勢和紙館からのお知らせ」には

10月8日(土) 13:30〜15:30
ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ

の実施が紹介されていた。

 

伊勢和紙ギャラリーでの写真展等には何度も足を運び伊勢和紙に魅力を感じている。また、今まではブログへ掲載するためだけに写真を撮っていたが、写真好学研究所の写真講座に通うようになってから写真を印刷する楽しさを感じ始めている。作品づくりとなるとなかなか難しいものがあるが、一度は伊勢和紙に印刷してみたいと思う気持ちが芽生えてきた。今までは観る人だったが・・・

【参考】

 

そんな理由からも今回は作品展の観覧に加え、ギャラリートークを拝聴することにした。(拝聴できないと困るので事前に電話予約)

伊勢まつりの日であったが会場を通り抜けると大世古へ入り、真っ直ぐに南下すると伊勢和紙館が併設されている大豐和紙工業株式会社の前に到着。しかしこちらは入口ではなく、さらに先へ進む。

伊勢和紙ギャラリー(大豐和紙工業株式会社)

伊勢和紙ギャラリー(大豐和紙工業株式会社)

 

御師 龍太夫跡の石碑の前も通り過ぎ、さらに先へ

御師 龍太夫跡の石碑(大豐和紙工業株式会社)

御師 龍太夫跡の石碑(大豐和紙工業株式会社)

 

こちらが入口となっている。目の前に見える建物が伊勢和紙館で和紙製品の販売に加え、こちらには伊勢和紙へ印刷するためのパソコンや各種プリンタが設置されている。

伊勢和紙館(大豐和紙工業株式会社)

伊勢和紙館(大豐和紙工業株式会社)

入口の看板には今回の作品展のポスターが貼られていた。

第五回 伊勢和紙プリントの会 作品展のポスター

第五回 伊勢和紙プリントの会 作品展のポスター

 

(なお、大豐和紙工業株式会社は伊勢神宮が神札等に使用する御用紙を奉製している。)

「神宮御用紙製造場」と刻された石柱(大豐和紙工業株式会社)

「神宮御用紙製造場」と刻された石柱(大豐和紙工業株式会社)

 

敷地へ入り伊勢和紙館の前と通り過ぎるとその突き当りに伊勢和紙ギャラリーがある。(先ほど道路で見上げた建物まで敷地内を進むのだ)

伊勢和紙ギャラリー(大豐和紙工業株式会社)

伊勢和紙ギャラリー(大豐和紙工業株式会社)

 

こちらが伊勢和紙ギャラリー、引き戸をガラガラと開けた。

伊勢和紙ギャラリー(大豐和紙工業株式会社)

伊勢和紙ギャラリー(大豐和紙工業株式会社)

 

受付を済ますと作品を見ながら二階へ。ギャラリートークの開始まで少し時間があったのでまずは作品展をふた巡りした。

 

そして、こちらの説明に目を通すと、ここには大豊和紙工業株式会社の代表取締役である中北喜得さんの思いが込められていた。

第五回 伊勢和紙プリントの会 作品展の説明

第五回 伊勢和紙プリントの会 作品展の説明

 

– 第五回 伊勢和紙プリントの会・作品展 –
伊勢和紙ギャラリーでは、2005年5月開設以来、伊勢和紙による画像表現を深く愛する皆様の作品をお迎えして展覧会を催してまいりました。このたび、10月2日から30日まで、写真家の三輪薫氏の監修による 第五回 伊勢和紙プリントの会・作品展 を開催し、会員の多彩な作品を和紙ならではの表現力で仕上げ、展示しました。皆様のご来場に感謝申し上げます。
伊勢和紙プリントの会は2007年1月に発足し、70名余りの会員が活動しています。伊勢和紙館にはプリント用の伊勢和紙を研究開発するために導入したパソコンや各種プリンタが設置してあります。プリントの会の会員は、この機材を利用して折りに触れ自身の作品を伊勢和紙で仕上げることができます。伊勢和紙プリントの会の会員は、伊勢和紙の理解者であり実作者として伊勢和紙を支援してきてくださった皆さんです。
今回の作品展には30名の伊勢和紙プリントの会会員が合計50点の作品を出品してくださいました。特に今回は10名の作者に2枚の「組写真」として表現していただいたことが特徴です。
メインギャラリーに額装を中心に26点、サブギャラリーには手すき菊判の吊るし作品を中心に12点、エントランスから階段部にかけて12点の軸装や額装の作品を展示しています。
大半が写真作品ですが、デジタル撮影の作品だけでなくフィルムで撮影した作品も数多く出品されています。撮影したそのまま(に見える)の仕上がりのものや。デジタルならではの技巧を駆使したものなど、個性豊かな作品が並びました。会員同士、お互いの作品への批評をしたり制作についての意見を密に交換するなど、今までに増して作品づくりを楽しんでおられる様子でした。
伊勢和紙プリント会員は、パソコンの操作や画像の仕上げに習熟した人もそうでない人もいらっしゃいますが、出品作品は可能な限りご自身で仕上げに取り組んでいただきました。本年王所より会員は各自10点程度の候補作品を制作し、5月に写真家の三輪薫氏に候補作品の中から展示作品のセレクトと展構成をお願いし、一点づつ作画アドバイスをいただいきました。出品した会員は、作品仕上げの勘所の指導を受けてどんなことに注意をすればすてきな作品に仕上がるのかを体感し、同時に三輪薫氏の懇切丁寧な作画指示を作品上に実現するためのパソコン操作も実習しました。こうして、一つ一つの作品には撮影・構成の時点からプリント仕上げにいたるまで、作者の作品への思いが込められています。
作品に使用した伊勢和紙は、伊勢和紙Photo雪色・とりのこ色・芭蕉や。手漉き伊勢和紙晒し純楮紙・大直紙・雁皮を主体とした伊勢斐紙 風雅など、作品の表現意図・印刷効果・展示効果を考えて選択しています。現在試作中の「伊勢和紙Photo 晒し芭蕉」も、作者のご希望により1点使用していただきました。
使用している額や桟は、三重画廊・三重額椽津支店に依頼し、伊勢和紙ギャラリー備え付けの額・桟として会場との調和と使い勝手を追求して制作した逸品です。
プロの作家から初心者までいらっしゃる伊勢和紙プリントの会ですが、伊勢和紙館ではこのような作業の結果、いずれ劣らぬ見ごたえのある作品展に仕上がったと主催者として自負いたしております。

期間中、伊勢和紙館では伊勢和紙写真プリントを背景に使った「押し花額絵」を15点あまり展示いたします。こちらも他にないオリジナリティあふれた作品です。あわせて御覧ください。
本日はどうぞゆっくりとご観覧ください。
会期中、お知り合いの皆様などお誘いいただいて、またどうぞお越しください。お待ち申し上げております。

伊勢和紙館・伊勢和紙ギャラリー  大豊和紙工業株式会社 代表取締役 中北喜得

 

定刻となりギャラリートークが始まるとまずは、大豊和紙工業株式会社の代表取締役である中北さんから

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

 

先ほどの説明にある内容が語られた。

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

 

興味深かったのは作品の展示方法で、額や吊るしの桟は同じ素材を使用し、額は全て正方形で統一されている。さらに写真家 三輪薫さんの監修によりレイアウトはシンメトリーとなっている。どの面を見えても作品の縦横は中心に対して左右対称となっていた。ここも、

第五回 伊勢和紙プリントの会 作品展(伊勢和紙ギャラリー)

第五回 伊勢和紙プリントの会 作品展(伊勢和紙ギャラリー)

 

ここも、

第五回 伊勢和紙プリントの会 作品展(伊勢和紙ギャラリー)

第五回 伊勢和紙プリントの会 作品展(伊勢和紙ギャラリー)

 

ここも・・・

第五回 伊勢和紙プリントの会 作品展(伊勢和紙ギャラリー)

第五回 伊勢和紙プリントの会 作品展(伊勢和紙ギャラリー)

 

心地よく違和感のない状態が生み出されていた。

また、先の説明にも「表現意図・印刷効果・展示効果を考えて」とあるが表現意図を表現するのに相応しい用紙(和紙の種類)を選択するとともに照明の配置などについても十分に配慮しているとのこと。

 

続いては提供している和紙の用紙の種類と色再現についての説明があった。

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

 

特定のプリンタと特定の和紙に印刷した場合、何も補正しない場合と専用のカラープロファイルを適用して印刷した場合の比較。一般の人が使用するプリンタについては各用紙ごとのプロファイルがすでに準備されているとのことだった。

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

 

また、色を正確に再現するためには照明も重要となる。結局、「画面表示」・「印刷」・「印刷物の確認」において全ての段階で色表現が統一されていれば、手戻りが少なくなる。先ほどは印刷についてだったので、次には照明について。メインギャラリーの天井(高さ3.6m)から吊られている照明は4つあるが、電球の中にひとつだけがLEDとなっている。(実験的に)

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

 

こちらがLED照明で、色測定をしてみると2800Kで演色性が76と赤色を評価できない結果が出た。なお、電球を測ると演色性は99.1でほぼ100、つまり全ての色を評価できる光だった。このように照明器具の種類によっても色を正しく判断できない状況となる。

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

 

また、蛍光灯でも仕様により演色性の相違があり、色評価用で仕立てられている蛍光灯は演色性が高い。よって、200〜300円の違いであれば演色性の高いものを選んだ方がいい。

さらにはモニター(ディスプレイ)の色再現について。私が使用しているディスプレイは製造元からカラープロファイルが準備されていない旨を伝えると、秘密兵器(ColorMunki)が紹介された。これは機種の一例だが、これひとつあればモニターたけでなくプリンタのカラープロファイルも作成できるそうだ。

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

 

これが色を測定している状況で、数分で測定が終了するとカラープロファイルが作成されている。まぁ、機器の能力で限界は異なるがこれを使えば容易にカラーマネジメントできるそうだ。このような機器があるからプリンタと各和紙のカラープロファイルが自由に作成できたのだ。

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

ギャラリートーク 伊勢和紙プリントの楽しさ(伊勢和紙ギャラリー)

 

中北さんの説明の間、今回作品展に出品している伊勢和紙プリントの会の会員の方から伊勢和紙との出会いや伊勢和紙への思いなどが語られた。特に印象的だったのは中北さんの和紙への印刷へのこだわりの強さ、思いが語られた時に「空気感」や「奥行き感」というキーワードが示されていたことだった。

ギャラリートークは楽しく興味深い話だったので、瞬く間に時間が過ぎてしまった。次回は印刷に値する作品を準備し、伊勢和紙プリントの会に入会したい。

作品展は30日まで、ぜひともご来場を! 素晴らしい作品の数々だ。

 

【参考】 過去の観覧した写真展ほか

など・・・

 

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