2016年09月03日（土） 抜穂祭（神宮神田） （車、徒歩）
伊勢市楠部町に位置する神宮神田、ここでは（伊勢）神宮にて斎行される神嘗祭等の諸祭典にお供えする御料米が育てられる。忌種を蒔く神田下種祭に始まり、御田植初にて早苗が植えられると頭を垂らすほどに稲は生長した。抜穂祭では、たわわに実った稲が忌鎌で刈られると穂先のみが一本ずつ抜き出され、二束にまとめられる。
抜穂祭は神田下種祭とともに神嘗祭に付属する祭典であり、神宮神田で収穫された稲は内宮の御稲御倉および外宮の忌火屋殿に奉納され祭典の前に奉下される。御稲御倉の御扉を開くと生温かく力がこもった風が一瞬吹き抜けると聞く。御稲御倉からの御稲奉下（ごとうほうげ）を拝観したいものだ。
【参考】
- 神田下種祭（神宮神田） 2016年04月02日
- 神田御田植初（神宮神田、大土御祖神社） 2016年05月07日
神田下種祭と同様に抜穂祭を拝観するのも今年が初めての経験となった。
神宮神田（伊勢市楠部町）
祭典が開始される30分ほど前、現地に到着すると朝から雨がちだった天候も徐々に回復の兆し、雲の切れ間から太陽光が差し込むこともあった。
神宮神田（伊勢市楠部町）
祭典の時だけくぐることができる黒木鳥居を目指して神宮神田前の道路に沿って歩いていると視界を遮る土手の上にこんなものを発見。私の拳よりも大きかった。
神宮神田（伊勢市楠部町）
さらに遠方、事務所等の建物付近には奉仕する神職らと祭典を見守る神職や地元の方々が準備を始めていた。
神宮神田（伊勢市楠部町）
黒木鳥居までたどり着くと数名の知人と挨拶し談笑。祭典の日だけでもここから出入りできるのはありがたい。
抜穂祭（神宮神田）
黒木鳥居をくぐると祭典を見守る方々のためのテント付近で待機し、参進が開始されるのを待った。
抜穂祭（神宮神田）
しばらくすると祭典を見守る神職および地元の方々の参進が開始された。
抜穂祭（神宮神田）
大宮司、少宮司、多数の神職らが長い列を成し
抜穂祭（神宮神田）
直進した一行はここで左へ曲がると祭場へ入った。
抜穂祭（神宮神田）
大宮司、少宮司ほか多数の神職の後、
抜穂祭（神宮神田）
見覚えのある地元（御田植に奉仕される楠部町）の方々らが続いた。
抜穂祭（神宮神田）
さらには、報鼓の合図とともに祭典の奉仕者（神職および作長、作丁ら）が参進を始め
抜穂祭（神宮神田）
祓所に到着した。
抜穂祭（神宮神田）
拝観用テントから見守られながら
抜穂祭（神宮神田）
遠く離れた祓所では神饌と奉仕者が修祓を受けた。
抜穂祭（神宮神田）
修祓を終えると神饌を納めた辛櫃が先頭となり参進が再開された。
抜穂祭（神宮神田）
ほどなく祭場へ到着すると
抜穂祭（神宮神田）
配置に着いた。
抜穂祭（神宮神田）
こちらが実際に抜穂の作業に携わる作長と作丁ら。
抜穂祭（神宮神田）
私も含めた外部の拝観者にも見守られながら抜穂祭は開始され
抜穂祭（神宮神田）
抜穂祭（神宮神田）
まずは一般的な祭典と同様に献饌、祝詞奏上、八度拝、撤饌が執り行われた。
【献饌】
抜穂祭（神宮神田）
抜穂祭（神宮神田）
抜穂祭（神宮神田）
抜穂祭（神宮神田）
【祝詞奏上】 （奏上時は私も低頭）
抜穂祭（神宮神田）
抜穂祭（神宮神田）
抜穂祭（神宮神田）
抜穂祭（神宮神田）
【八度拝】
抜穂祭（神宮神田）
抜穂祭（神宮神田）
抜穂祭（神宮神田）
【撤饌】
抜穂祭（神宮神田）
抜穂祭（神宮神田）
その後、二本の忌鎌が神職の前へと運ばれた。
抜穂祭（神宮神田）
作長が立ち上がると
抜穂祭（神宮神田）
その忌鎌を受け取り、
抜穂祭（神宮神田）
捧持しながら
抜穂祭（神宮神田）
抜穂祭（神宮神田）
作丁を引き連れて神田の中央へ移動した。
抜穂祭（神宮神田）
一拝の後、
抜穂祭（神宮神田）
それぞれ忌鎌を手にした２名の作丁が神田へと足を踏み入れた。
抜穂祭（神宮神田）
たわわに実った稲が忌鎌で刈り取られると
抜穂祭（神宮神田）
ひと抱えの稲が
抜穂祭（神宮神田）
神田の縁で待機する作丁に手渡された。
抜穂祭（神宮神田）
刈り取りを終えた作丁は
抜穂祭（神宮神田）
水路で足に着いた土を洗い流す（おそらく）と神田の縁へ戻った。
抜穂祭（神宮神田）
その後しばらく作業が続けられた。この間に穂先が抜き取られ、抜穂は束にして麻でまとめられたのだろう。（左右で二束）
抜穂祭（神宮神田）
すべての作業が終了すると二束の抜穂は折敷に乗せられ、
抜穂祭（神宮神田）
作長が捧持すると
抜穂祭（神宮神田）
黒木の案へと運ばれた。
抜穂祭（神宮神田）
抜穂祭（神宮神田）
作長は神職に報告（？）してから自席へ戻ると
抜穂祭（神宮神田）
神職が抜穂に近づいた。
抜穂祭（神宮神田）
検分だろうか。確認を終えた神職も自席へ戻ると
抜穂祭（神宮神田）
抜穂を乗せた折敷は
抜穂祭（神宮神田）
別の神職により案の上から
抜穂祭（神宮神田）
左手にある鯨幕の中へと運ばれた。
抜穂祭（神宮神田）
辛櫃に納められたのだろう。
抜穂祭（神宮神田）
辛櫃の担ぎ手はこんなところで待機していた。
抜穂祭（神宮神田）
以上で祭典を終えると退下となった。
抜穂祭（神宮神田）
神職、作長、作丁らが立ち上がると
抜穂祭（神宮神田）
辛櫃を先頭に
抜穂祭（神宮神田）
・・・
抜穂祭（神宮神田）
その後、
抜穂祭（神宮神田）
テントの下から大宮司ほかの退下が続いた。
抜穂祭（神宮神田）
この場所から拝観していると
抜穂祭（神宮神田）
長い列が
抜穂祭（神宮神田）
青白幕が張られたテントへ吸い込まれた。
抜穂祭（神宮神田）
・・・
抜穂祭（神宮神田）
そして祭場には誰もいなくなった。
抜穂祭（神宮神田）
近日中にこれらの稲穂もすべて刈り取られるのだろう。
抜穂祭を終えて（神宮神田）
知らないうちに
抜穂祭を終えて（神宮神田）
あんな所に辛櫃が置かれていた。この辛櫃はこれからどうなるのだろう。この後所用があったため叶わなかったが、可能ならこの辛櫃が移動するまで待って居たかった。
抜穂祭を終えて（神宮神田）
後ろ髪を引かれる思いで黒木鳥居をくぐり返すと
抜穂祭を終えて（神宮神田）
神宮神田を後にした。
抜穂祭を終えて（神宮神田）
私が神田前の道路を歩いていると青白幕のテントを後にする奉仕者らの姿が見えた。形式的な直会の会場だったのだろう。
抜穂祭を終えて（神宮神田）
神宮神田を後にしてから
抜穂祭を終えて（神宮神田）
五十鈴川に架かる五十鈴橋付近で佇んでいると抜穂祭に参加した地元の方々が近づいてきた。
抜穂祭を終えて（神宮神田）
五十鈴橋を渡り公民館へ向かうのだろうか。（お疲れ様！）
抜穂祭を終えて（神宮神田）
