2017年05月13日(土) 河崎古地図ツアー(主催:河邊七種神社古文書の会) (車、徒歩)
河邊七種神社(伊勢市河崎)では御遷座に際し社務所から大量の古文書および古地図が発見された。それらを住民の手で整理しようと昨年度に立ち上げられたのが「河邊七種神社古文書の会」である。最初は整理のみの活動だったが途中からくずし字を勉強したいとの要望があがり、毎月第2日曜日に古文書の整理、その前日である第2土曜日にはくずし字勉強会が実施されている。くずし字勉強の教材はもちろん整理対象である古文書・古地図、なかでもまずはとりかかり易い古地図が選ばれた。
これまでの勉強会にてひと通りの古地図が読み解かれその全貌が見えてきたため、古地図を手にして巡る「河崎古地図ツアー」が実施された。
河崎古地図ツアー
主 催:河邊七種神社古文書の会
開催日時:平成29年5月13日(土)午後1時30分~
集合場所:河邊七種神社社務所(三重県伊勢市河崎2丁目北里中地区中橋付近)
ただし古地図をそのまま手にしてもなかなかわかり難い。会の世話係としてお世話いただいている松本眞一さんが講師・監修担当である千枝大志(中京大学文学部 学芸員)さんの指導の元、素晴らしい資料に仕上げてくださった。これらの資料をさらにブラッシュアップさせて河崎の店舗に置いていただこう。との案も出される程だった。
古地図だけでもかなりの情報量であるが別の資料や情報とリンクすることによりさらに新たな事実を発見することができる。
なお「河邊七種神社古文書の会」の活動や今回のツアーの目的や意義を端的に語る言葉があるので紹介しておこう。それは河崎に店舗を構える古本屋ぽらんの店主 奥村薫さんが中日新聞の特集記事「ふるさと再発見」にて河崎環濠痕跡めぐりと題して執筆した記事の締めの言葉だ。
やはり古くからあるものにはすべて理由や意味があったのである。そして、それを学ぶことこそが歴史なのではないか。単に過去の出来事や名称を覚えることでも、ノスタルジイを誘うためのものでもないはずだ。
もうそろそろ英雄や大金持ちが作ってきた歴史以上に、その他大勢の先人たちの知恵と努力で築き上げてきた歴史に目を向ける時が来ているのではないだろうか。
今回のツアーは地元住民を中心として市民の手で見つけた歴史の証をもとに現在とのリンクを探しタイムスリップも楽しめた。そして新しい事実も明らかに。
今後もこのような企画は繰り返して実施されるだろう。
今回作成された資料は容易に手にすることができるようになるだろう。
河邊七種神社古文書の会に参加させていただくことにより、河崎在住ではない私も少しずつではあるが河崎のことがわかってきた。このような手法をさまざまに応用してみたい。
みなさんも、ぜひとも自分の足で、自分の目で、自分のすべてで河崎を感じていただければと・・・
今回はネタバレとならないように写真と簡単な解説のみとする。
朝から豪雨。ツアーの開始時刻までに雨が止む気配がなかったためまずは社務所にてツアーの全体説明が実施された。
こちらが松本眞一さんの手により作成された資料。
南町絵図(※)、里中町絵図面、北里中町絵図、八ッ町絵図、出屋敷町絵図面に加え、勢田川濬寄附控(※)[※は伊勢河崎商人館所蔵、それ以外は河邊七種神社所蔵]
絵図はつぎのようの表計算ソフトEXCELを使用して読みやすい図に、寄附控は翻刻して・・・。
古地図等の理解を深めるために、松本さん、千枝さんからさまざまな資料が提示された。
概要説明を終えた頃、雨も止み始めた。社務所を後にすると
河崎の街歩きが開始された。A4ファイルに閉じられた資料は非常に使いやすい。
この後は、写真のみで雰囲気を紹介することにとどめる。今後、資料を手にして巡ってみてはいかがだろか!
古地図に記された水神宮は今はこちらに合祀され、和具屋さんにも祭られているとの話もある・・・