2017年10月05日(木) 御塩殿祭の朝、御塩殿神社(皇大神宮 所管社) (車、徒歩)
伊勢市二見町荘に鎮座する鎮座する御塩殿神社(皇大神宮 所管社)では御塩を焼き固めて堅塩を奉製するにあたり午前10時より御塩殿祭が斎行された。(はずだ。出勤前に御塩殿神社を訪れたところ祭典の準備が開始されるところだった。)
御塩焼固とは、五十鈴川の下流にある御塩浜にて採取された鹹水(塩分濃度の濃い海水)を最終的に祭典で使用される堅塩に仕立てる作業である。夏の土用の頃に御塩浜で採取された鹹水は、採鹹の直後に御塩殿神社に併設された御塩焼所にて荒塩に焼き上げられる。今回、その荒塩が三角錐の土器に詰められ御塩殿の竈にて焼き固めたものが御塩(堅塩)となる。
御塩殿祭が斎行された後、御塩殿にて忌火が鑽られると竈に移されその火で堅塩を焼き固められる。御塩焼固は10月と3月にも実施され、焼き固めの期間は各5日間で一日に20個、都合200個の堅塩が奉製される。焼き固められた堅塩は期間中で二回に分けて外宮の斎館へと護送される。4日目の朝に60個、そして焼き固め期間を終えた翌日にあたる6日目の朝に40個が。
御塩(堅塩)の奉製も15日〜17日に斎行される神嘗祭に向けた神事である。神嘗祭は神宮のお正月ともされ、伊勢神宮では最も重要とされる祭典である。そのためにさまざまなものが新たに用意される。
10月1日には御酒殿祭が斎行され、両機殿(神服織機殿神社・神麻続機殿神社)では神御衣の奉織が同日10月1日より開始され、14日には皇大神宮(内宮)および荒祭宮では神御衣祭が斎行される。さらに、12日には愛知県知多郡南知多町の篠島にある干鯛調製所からは太一御用船にて伊勢湾を渡り干鯛が奉納される。などさまざまな動きがある。
出勤前に訪れた御塩殿神社。お参りを終えると祭典の準備が始まろうとしていた。私は出社時刻が迫ってきたため、御塩殿神社を後にした。(どうもタイミングが合わず、今までも御塩殿祭を拝観したことがない。)
鳥居をくぐり参道を進むと御塩焼固に奉仕する喜多井さんが参道を掃き清めていた。喜多井さんは年に10日の御塩焼固だけでなく、毎朝広い神域を清掃されている。(感謝)
喜多井さんに挨拶してから参道を進むと見慣れた風景だが、
その左右には見慣れないテントがたくさん。
御塩殿も開かれていた。
こちらが御塩殿。こちらで御塩が焼き固められる。
こちらが御塩殿神社、いつもは見られない幄舎が設置されていた。臨時で幄舎が設置されるのはあとは両機殿の神社くらいだろう。
【参考】 神宮巡々2 にて