2016年09月18日(日) 平成28年度 第2回度会町地域資源勉強会(注連指公民館)、解説とフィールドワーク・「秋の観音祭」木造十一面観音立像の御開帳と奉納演奏 (車、徒歩)
今日は「度会町ちいき資源を守る会(会長 橋本丈男さん)」が主催する「平成28年度 第2回度会町地域資源勉強会」に参加させていただいた。
『度会町ちいき資源を守る会』は、三重県度会郡度会町内の各地で個別に活動していた(る)グループを統括して連携することにより今も眠っている(知られていない)地域資源の掘り起こしやそれらの情報発信、さらには地域を活性化することを目的とし、地域内外の交流や観光に生かすことを目標に活動しているとのことだ。それだから、地域外に住む私でもこの勉強会に参加させていただけたのだろう。
『度会町ちいき資源を守る会』は次の9つのグループで構成され、食生活改善推進協議会の協力および宮川流域案内人の会の支援のもと事務局により運営されている。
「五輪堂を守る会」「火打石を守る会」「乙女岩を守る会」「牛草山を守る会」「度会町の植物を守る会」「国束寺、国束山参道保存会」「一之瀬城址を守る会」「南なかむら未来築き隊」「立岡城跡保存会」
今回の勉強会は注連指公民館(度会町注連指)にて開催され、午前中は公民館での座学(中川地区の地域資源解説)とそれを受けてのフィールドワーク、そして午後からは正法寺の観音堂に残される木造十一面観音立像の御開帳と観音祭コンサートと盛りだくさんのメニューだった。
また、未だかつで注連指を訪れたことのなかった私には注連指を訪れる機会を得ただけでもありがたい機会となった。
朝からバタバタしていて自宅を出発するのが遅くなったのだが、勉強会の開始時刻にはなんとか間に合った。
公民館の中へ入るとすでに参加者は勢揃い。開始挨拶の後、勉強会は開始された。
座学では会長の橋本丈男さんが中川地区全般について、そして地元の林幹夫さんが注連指について解説。「中川地区の主な地域資料」には興味深い情報が満載だった。訪れたことはあるのだが、ただ訪れただけの場所が多く、今回の説明で「あ、そうか!」と腑に落ちることも多い。また、全く知らない場所や資源も多い。
(配付された資料については、事務局の了承を得て、今後公開したい。)
私が過去に巡った記録はこちら
【参考】 リンクの下には今回初めて知った情報を付加
- 清流宮川の源流部から海まで歩こう!第四区間 宮川ウォーク・右岸 2014年07月05日
禅廣山妙色寺の前面の高台にまつられる祠などが、豊田稲荷社、神宮遙拝所、浅間さん祠、庚申さん祠である。
- 麻加江かんこ踊り(慶林寺、度会町麻加江) 2015年08月15日
- 変化(へんげ)する坂井の常夜燈(度会町坂井) 2014年06月01日
現在も、区民が交代で毎日灯明をあげ、両神宮を遙拝している。
- 「國束寺観音道 二十二丁」の道標(度会町坂井) 2013年11月24日
- 長原神社、長原城址(度会町長原) 2012年12月23日
この頃は浅間信仰の知識がなく、御幣が付けられた竹の先を見上げていたことを思い出した。
座学を終えると小雨が降る外へ出た。予定では「女滝」「滝原神社跡」「御殿(みやらか)跡」周辺の散策となっていたが、今回は悪天候による足元の悪さを配慮し「女滝」の遠望のみとなった。
公民館を後にすると獅子ヶ岳登山口方向へと歩き始めた。
観音祭が開催される正法寺の前を過ぎ、注連指大橋を渡るとさらに奥へ奥へ・・・
注連指川を左手に見ながら
そして時々川から離れて進んだ。
次の橋、
奥出橋で再び注連指川を渡ると
行く先は坂となった。この場所は三軒家堂坂と呼ばれ
イヌガヤの下には五輪塔など多数の石造遺物が残されていた。
この場所に置かれている石を触ると腹痛を起こす。しかし、身体に具合の悪い場所があれば拝むと治ると伝えられているそうだ。同じ石に対しても触ると拝むとでは正反対の結果となるのだから面白い。
なお、この近くには色あせたキティちゃんのぬいぐるみが残されているのも印象的だった。(笑)
五輪塔等を過ぎるとここからは注連指区が管理する林道注連指線であることを示す看板が立っていた。
この坂道を登り切った辺りに女滝の案内板がある。
女滝付近に到着すると橋本会長の説明に聞き入った。
こちらが女滝の遠望。階段があり滝壺まで下りることはできたが、マムシとヒルの宝庫だとの注意を受けると誰もそこ(底)へ下らなかった。(私も・・・)
女滝の見学を終えるとフィールドワークは終了、昼休憩となった。先ほど通過した正法寺へ立ち寄ると
本堂の前に建つ石柱には「國寶」の冠がありその下には「十一面観世音菩薩・」とある。座学にて説明を受けたそのことが名残となっていた。
それは
現在観音堂に安置されている木造十一面観音立像は平安時代後期の楠材一木造りで、古社寺保存法により国宝に指定されたものの、その後文化財保護法により国指定重要文化財に格下げ(?)となってしまった。
と
すると背後の本堂から音楽が流れてきた。
本堂の中では観音祭コンサートに出演する宮川フォークアンサンブル(浜口素則さんと小倉憲子さんのデュオ)のリハーサル、彼等は音楽で地域の活性化をはかる宮川流域案内人のお二人だ。
本堂の前を進むと急な石階が続きその上に観音堂が建っている。
私は寄り道や遠回りが好きなので直接この石階を登らずに右手方向に続く急な坂道を進んだ。坂を上り詰めるとこんな風景が広がっていた。
観音堂の前へ戻るとすでに御開帳が開始されていた。(通常は閉じられている扉だが年に二回、1月18日と9月18日に御開帳される。)
お参りしてから許可を得て撮影させていただいた。
傷みが激しいとは聞いたが、実際に拝見すると十一面ではないなど痛々しい場所もあった。
その後、昼休憩を終えて再度観音堂へ向うとその前には多数の参詣者が集まっていた。
定刻になると住職の挨拶の後、読経が始まった。
般若心経が唱えられていたので、知らず知らずに私も「・・・般若波羅密多・・・」と唱えていた。その間にも順次お参りが続いた。
読経が終盤を迎えると経典を手にした住職が参詣者に向かい、経典をパラパラパラ(転飜?)と。
しばらくすると読経が終了した。
その後、観音祭は本堂でのコンサートとなった。
先ほどリハーサルしていた宮川フォークアンサンブルが登場し
次の6曲が演奏された。
- 野に咲く花のように
- 白いブランコ
- ふるさとの秋(作詞・作曲 浜口素則)
- ありがとう宮川(作詞 浜口素則、作曲 橋本博行)
- ふるさと讃歌(度会町注連指の唄、作詞 縄手利一、作曲 東谷周次)
- 瀬戸の花嫁
コンサートも終了すると公民館へ戻り、アンケートを提出すると勉強会を終えた。
ためになる勉強会だった。次回、11月26日に開催予定である立岡区での勉強会にも参加を希望すると注連指を後にした。