2015年08月05日(水) 御塩焼所での荒塩焚き上げ作業(御塩殿神社) (車、徒歩)
今年は天候の不順もあり御塩浜での採鹹作業は例年よりも遅れていた。そのためか? 採鹹作業を拝見する機会には恵まれず、最後の仕上げである荒塩の焚き上げ作業だけでも拝観しようと思い御塩殿神社を訪れた。荒塩とは御塩浜で集められた塩分濃度の高い海水(鹹水)を大きな平釜で焚くことにより水分が飛ばされニガリ成分を含む塩のことである。御塩殿神社々域の裏手にはこの荒塩を作るための施設である御塩焼所があり、その中に据えられた竃にて焚き上げの作業が執り行われる。なお、御塩焼所の隣には御塩汲入所があり、土中に埋められた瓶には御塩浜で集められた鹹水が保管される。
【参考】
- 採鹹作業の準備が進められていた御塩浜 2015年07月25日
- 御塩焼所での荒塩焚き上げ作業は8月5日〜6日の予定 2015年07月31日
【参考】 神宮での御塩作りの流れとその詳細については次の記録を・・・
- 採鹹作業(御塩浜) 2012年07月19日
- 荒塩の焚き上げ作業(御塩焼所、御塩汲入所)2014 その1 2014年08月01日
- 荒塩の焚き上げ作業(御塩焼所、御塩汲入所)2014 その2 2014年08月02日
- 御塩焼固(2015年03月) 2015年03月06日
- 御塩の護送(2012年03月) 2012年03月10日
御塩殿神社に到着した頃はすでに西の空に日が沈んでいた。雲に反射された名残の光は眩しいほどだったが
御塩殿神社の参道入口は真っ暗だった。
鳥居をくぐり参道を進むと神域内は真っ暗。ヘッドライトを照らすと御塩殿が浮かび上がった。この後はライトを消して御塩殿神社にお参り。
お参りを終えると御塩殿の前を通り過ぎ、斎舎の前を左へ進むと御塩焼所・御塩汲入所へと続く小径がある。荒塩の焚き上げの時期だけは二見浦海岸側の出入口扉が開かれるので車が参入してきた。
その光に助けられながら足元に不安なく御塩殿神社の裏手へとたどり着いた。暗闇の中御塩焼所と御塩汲入所には明かりが灯されていた。
まずは御塩汲入所を確認すると
土中に埋められている瓶の蓋が外されて大きな柄杓が差し込まれていた。
また、御塩焼所の前面、荒塩の焚き上げを拝観できるスペースは多数のプレスが陣取っていた。御塩焼所で多数のプレスの姿を見るのは初めてのような?(訪問時間の関係でこのような場に遭遇していなかったのか?)
そのため、正面を避けて御塩焼所の左右離れた場所から焚き上げ作業を拝観した。
これは右側から
さらに左側から
薪を焚く窯の周囲はさらに熱いだろう。
堅塩焼固に奉仕し、毎朝御塩殿神社の社域全域を掃き清めてくださっている喜多井さんも作業を手伝っていた。
御塩焼所の正面ではビデオ撮影が続けられていた。
御塩焼所のなかでは、そろそろ荒塩が焚き上がる雰囲気となっていた。
丁寧に掻き回し
頃合いを見はかると
焚き上げられた御塩がすくい上げられた。
何度か繰り返し
平釜が空になると
次の焚き上げ作業のために
鹹水が平釜へと注ぎ込まれた。
何度も
何度も
まだ平釜が満たされなかったので、御塩汲入所へ鹹水を取りに・・・
その間も作業は続けらる。平釜の縁に付いた荒塩をヘラでそぎ落としていた。
御塩汲入所では
土中に埋められた瓶から鹹水を汲み上げると
天秤棒で担いで
御塩焼所へ戻った。
平釜が鹹水で満たされると改めて焚き上げ作業が開始された。
見慣れない作業・・
これは塩分濃度を計っていたようで「15」と聞こえてきた。採鹹時よりも数値が下がっているようだった。
くどの脇には薪も準備され、
しばらくは待ちの時間が続く。
先ほど平釜から取り上げられた荒塩はくどの左手にあるいだし場に置かれている。
その後、ある程度の苦汁が抜け落ちた状態で俵に詰められると御塩殿の右奥に建つ御塩倉にて保管される。
次の焚き上がりまでは待てなかったので
御塩殿神社を後にした。