2017年06月03日(土) 写真好学研究所 06月講座(2017.6.3)@古民家Hibicore (車、徒歩)
【 写真好学研究所 06月講座(2017.6.3)@古民家Hibicore 】
今回の参加者は、猪野、大賀、寺本、中澤、桝屋、森田、吉田と見学者の??さん(ゴメンなさい御名前を失念、次回からは研究生として参加です。)の8名で、4月より取り組みを開始した今年度のテーマ「三重の風景」を撮影するための基礎づくり。「風景とは?」について議論しつつ、さらに今回は「三重の風景」についてキーワードを洗い出すなど一歩前進(?)となった。
今回のWelcome Board はどう見ても写真講座用ではなかった。どうも近くの劇場で上演していた韓国からの劇団の方々をお迎えしてとか?
参加予定の研究生がほぼ集まると今回もゆるーリと開始された写真好学研究所の06月写真講座。
今回は
- 研究生による写真展(個展)実施報告
- 今年度のテーマである「三重の風景」についての議論
- 催しなどの告知、情報提供ほか
【研究生による写真展(個展)実施報告】
3月の「写真好学研究所写真展」@三重県立美術館 県民ギャラリーを終えてから研究生である大賀、森田の個展が終了、開始となっている。
まずは彼等の報告会となった。
■大賀による個展(終了)についての報告
報告書を出そうと考えていたが突然にPCが故障し、詳しい方に調べてもらったらマザーボードが壊れているとのこと。写真展の写真等はその方になんとか復旧してもらった。
ここから話が個展から横道に逸れ、写真等データのバックアップについて展開した。
先の東日本大震災ではすべてのデータが消失した。PC内に保存されていたデータは読めなくなり・・・。このようにデジタルも万能ではなく、紙に残して置くべきだとの提案もあるほど。ただデジタルの世界ではローカルのバックアップだけでなく、データセンター等のクラウドへの保管が可能で重要視されている。さらには数カ所に保管することも。など
話を戻すと、大賀さんの目的は「とにかく写真を観てほしい。大袈裟に広告せずに来ていただける方に来ていただければ。店主(うたたねバンビ)の意向通りに店の雰囲気に合えばそれでいい。」と。
実は県民ギャラリーの写真展だけではモッタイナイと思っていたので、知り合いの店主に相談したところ快くお店の一画を貸して頂けた。さらに、店の雰囲気にふさわしいのであれば各席に展示しても良いとの了解を得たが自分自身そこまで余裕がなかった。
いつも感謝の気持ちだけ。なかでも今回はお店の常連さんが「うたたねバンビ」帳に本個展について熱いコメントを寄せてくれていた。その時に熱い雰囲気を目にしたのでその方に声を掛けようかとも迷ったがお店の常連さんであることも考えてその場はやり過ごしていた。ところが個展の最終日、その女性がご主人とともに再訪された。感動の余り声を掛けたところ、同様の感覚の持ち主であることにお互いが共感し盛り上がった。二回も観てくれる方がいたことにお感動した。また、展示された写真だけでなく、写真のファイリングを手にしてじっくりと観てくれている方が多かった。手にできる強みなのか?
最後に店主より「来年もやって下さい!」と言っていただいた。ありがたい。
その他、本個展を訪れた研究生からの意見は
- 前回の県民ギャラリーと今回の会場では全く雰囲気が異なるので、展示場所が異なることで写真の見え方が大きく変化することを実感した。
- 今回の展示がお店に元からあったように馴染んでいた。(県民ギャラリーよりもこちらの方が額縁が)
その一方、松原所長からは
- 馴染み過ぎていて大賀的空間が薄らいでいた。(持ち味が発揮できていない?)
との指摘もあった。
【参考】
●森田による個展(昨日、6/2より開催中)開催の報告
県民ギャラリーでの写真好学研究所写真展を訪れたギャラリーのオーナーが中村町の写真を気に入り、強いオファーを受けて今回の写真展が開催される運びとなった。
研究生として正統な方法での写真展をやってみようと思い、DMを2000部作成し、すでに1000部以上の配付を終えた。展示は先の写真展で展示した作品を中心に、壁毎に撮影した地域を分けて展示した。A4サイズを約40枚+2Lを何枚か。なお展示会場の壁はビニールクロス張りで傷つける展示方法は禁止となっているため、粘着性の弱い両面テープを使用したらポロポロと展示物が落下することがある。そのため通勤途中には大丈夫かと心配になりながらギャラリーを外から覗く日々が続く? (写真の落下については、まるで私が先の県民ギャラリーでの写真展で経験した事例とドンピシャである。)
また、2ヶ月の開催期間の途中で地元の代表者にお集まりいただいての座談会なども企画されている。
松原所長より
- 今の時点では余り語り過ぎず、みんな(研究生)が個展を観覧してからさまざまに詰(?)問した方がいい。
との指摘があり、その方向へ進んだ。
【参考】
【今年度のテーマである「三重の風景」についての議論】
個展報告で一時間ほどが経過したため、一時休憩となった。
こちらは大賀さんからの差し入れの品。美味であった。(ごちそうさまでした。)
休憩中の方がみんな生き生きしているのかも?
そして、コーヒータイムを前に各人にA4白紙が配られた。所長からの指示は「三重の風景」として思えるキーワードを書き出すこと、だった。
今日の休憩も贅沢に、大賀さんの差し入れと松原所長によるドリップのコーヒーでみんなご満悦に。
さてさて、束の間の休憩を終えると本日のメインイベントとなり各人が書きだしたキーワードの読み上げが開始された。
全員が書き出したキーワード(重複は削除)はこちら。
伊勢神宮(内宮、外宮)
丸山千枚田
鈴鹿サーキット
四日市コンビナート
ミキモト真珠島
鳥羽水族館
尾鷲のサンマ
クジラ漁(これは太地、和歌山だけど)
美杉ごんぼ祭り(牛蒡祭り)
むらのわ市場
JR名松線
日本鋼管(君ケ野ダムができるきっかけ?)
伊勢湾
雲出川
熊野
花の窟
白塚あたりの
津なぎさまちののりば
鈴鹿峠
須賀利(尾鷲)
開かれた風景(伊勢平野)
R23
海、川、堤防
伊勢道路
鳥が飛んでいる
山の上、風車
近鉄
伊勢鉄道
麦
山
志登茂川
海
注連縄
みかんの木
青空(近鉄名古屋から松阪方向へ乗車すると桃園駅を過ぎた辺りで広い空が開ける)
人
白米城
栃ヶ池(五桂)
電柱
小中学校など無くなってしまう風景が多い。
海も山も両方ある。
三重県は縦長
浦村牡蠣
小入道くん
六華苑
ベビースターラーメン
井村屋
神社
鳥居
スペイン村
御在所岳
御座白浜
波切灯台
ブラジル丸
大門商店街
美杉村(神村)
松原所長より
著名な観光地を示すキーワードならそれだけでその観光地をイメージすることができる。「もう撮らなくてもいいでしょ」と言われそうな頻出の対象は研究材料としてはおもしろくない。このようなわかりやすいキーワードは研究所の活動としての「三重の風景」から外して考えようか・・・
個人的でめずらしいキーワードは電柱。注連縄の声も上がったがそれは県外から三重に越してきた方の意見でここでも横道に逸れた。伊勢地方では注連縄は一年中飾るものである。しかし県外移住組にしてみれば常にしめ縄が掛けられていることに違和感を感じる。所長が一言「これを写真で表現するならしめ縄とTシャツの組み合わせもある。」また。意図しなくても無意識の中で地方性が映り込んむこともある。生活風土的風景もありだ。
その他、三重の風景についてブレーンストーミング的に・・・
三重県は縦長
暖かい
みかん、柑橘系
(魚と柑橘系はセット)
建物の構造、屋根や土蔵など
(伊賀地方では蔵の壁の厚みが資産を示した?)
近鉄の車窓から眺めても名張から奈良まではこの辺りと明らかに構造が異なる
屋根を撮るだけでも変化
鉄道で県内を北上すると左に山、右に海
道路、鉄道の周囲に見える風景
雑草が伸び放題(秩序なし?)
風が強い
蜘蛛が多い
今年は植物がデカイ(フキの葉が大きい)
続いては、研究生 吉田さんが前回の宿題の答えを説明した。
それは風景を表現すると思われる英語 scene、scenery、view、landscape について差異を調べた結果だった。
scene : 事件や事故(可算名詞)
scenery : 景色、動きながら見る
view : 特定の場所から見られる(不加算名詞)
landscape: 田舎(country)のある一部分、自然な部分に手が加えられている、人の手が入っている景色
また、私が語源から迫ろうと日本国語大辞典第二版(小学館)で調べた結果を紹介した。
風景、景色、風光は同義語としてくくられていて、風景と風光については懐風藻(751)にて既に使用されている古くからの言葉である。光景は目に見える景色、また事件などの具体的な場面の有様、現在では多くの人を感動させたり刺激したりする情景をいうと。さらに、景観はLandshaft(独)、Landscape(英)の訳語であい植物学、地理学用語で風景を示すとともに第二次世界大戦後には建築学や造園学などでも術語として定着している。
このように風景、景色、風光は似たような意味で混用されていると思われるが、景観はlandscapeに該当し、光景はsceneに該当する。これらを考えれば、光景は風景、景色、風光と似たように思われているが、実は微妙に使い方が異なる言葉であることが分かった。
【催しなどの告知、情報提供ほか】
最後に様々な告知と情報提供(現時点では未公開)
以上で盛りだくさんの内容の写真講座が終了となった。
次回の講座は7月1日14:00〜 @古民家Hibicore で
今回の議論を受けて自分なりに「三重の風景」をテーマとして考えた写真を持ち寄る。