2015年02月07日(土) 天狗の舞、獅子舞(下久具の御頭神事) (車、徒歩)
度会町下久具の御頭神事、お昼に安置所から取り出された獅子頭が夜に舞う。
【参考】
この獅子頭には次のような言い伝えがあるそうだ。
むかし、度会町の田間に夫婦の獅子がありましたが、ある時洪水が起こって雌獅子は宮川沿いの下久具に、雄獅子は棚橋に流れ着き、離ればなれになってしまいました。
雌獅子は「オサキ」、雄獅子は「ダイジョウ」と呼ばれ、毎年1月12日に近い土曜日に行われる棚橋御頭神事では、雄獅子「ダイジョウ」が川向かいの「オサキ」を慕って「ドンドン サキヨ」と呼びます。
この獅子頭は漆塗りの立派なもので、江戸時代中期ごろにつくられたと考えられています。この棚橋御頭神事は、昭和43年に県の無形民俗文化財に指定されました。【引用】 宮川流域ルネッサンス協議会:昔話4~離ればなれになった獅子頭~ より
下久具の御頭神事は棚橋の御頭神事の一週間前に執り行われる。まずは19時から遥拝所前で、その後は海蔵寺の境内(下久具公民館)にて舞われる。
最初の舞の舞台となる遥拝所だがどちらを遥拝しているのだろうか? 疑問に思っていたので地元の方に尋ねてみた。「以前は地区の外れの竹林となっている場所に神社があったのだが内城田神社に合祀された。そのため、この遥拝所では内城田神社を遥拝している」とのことだった。
【参考】 内城田神社(度会町棚橋) 2014年02月08日
午前中に訪問した時と同様に宮リバー度会パークの駐車場に車を駐めると、下久具公民館を過ぎて遥拝所へと向かった。
遥拝所付近には誰もいなかったが、ドラム缶の中では薪が燃やされていた。凍えた身体にはありがたい。
遥拝所を確認してから
今夜の主舞台となる海蔵寺の境内(下久具公民館)へと戻った。
こちらでも火が焚かれていた。
また、下久具の御頭神事は別名、甘酒神事とも呼ばれ神事の際には甘酒が振る舞われれる。そのために羽釜が準備され、
舞の舞台となる境内では海蔵寺と下久具公民館に面した一画の四隅に斎竹を立て注連縄が張られていた。
下久具公民館では御頭神事の準備が進められていた。
公民館の中で出番を待つ獅子頭を撮影させていただいた。パチリ。
しばらくすると甘酒作りが開始され、
公民館前に置かれた軽トラックが始動した。
【内城田神社遥拝所(度会町下久具)】
私は急いで遥拝所へ向かうと途中で軽トラックに追い越された。私を追い越した軽トラックはお供え物と子供たちに振る舞うお菓子を積んでいて、私が到着した頃にはそれらが遥拝所に並べられていた。
ドラム缶から立ち上がる炎は勢いを増していた。
しばらくすると舞手が登場した。
下久具の御頭神事では、まず天狗の舞、続いて獅子舞となる。
天狗役の相手が面を付け
準備が整うと舞が開始された。
天狗の舞は約10分間続いた。次の動画は舞始めの約1分間、こんな感じで舞が続き、
【動画】 1分04秒(2.0 MB )
最後は、二周ほど左回りに大きな円を描きながら舞うと終了となる。(この場面でコンデジのバッテリーが切れてしまったのでその様子は海蔵寺の境内での舞の部分で紹介)なお、この際の掛け声は私には「タイジョウ」と聞こえたのだが、「ダイジョウ」かも知れない。(ダイジョウなら先に紹介した昔話にでてくる棚橋の雄の獅子頭の名前だ)地元の方に確認しようと思っていたのだが、拝観に熱中し、興奮していて忘れてしまった。
『次回、訪問した時にはまず最初にこのことを確認しよう!』
天狗の舞が終了すると、続いて獅子舞の準備が開始された。
獅子舞は天狗もともに舞、天狗が先導するようにも見える。
天狗が仰ぐ扇子に合わせて獅子が御頭を振り上げ、天頂を過ぎた辺りで歯を鳴らす。この所作が繰り返された。獅子舞も最後には天狗の舞と同様に大きな円を描きながら舞うが、次の動画もその前まで。
【動画】 15分39秒(29.2 MB )
【海蔵寺の境内(下久具公民館)】
遥拝所での舞を終えると会場(祭場)は海蔵寺の境内(下久具公民館)へと移された。
会場には多数の拝観者が集まってきた。
甘酒も振る舞われ、私もいただいた(ごちそうさまでした。)
こちらでは、天狗の舞に続き、獅子舞が四回。
まずは天狗の舞、
ここで紹介するのは、最後に大きな円を描いて舞う様子。
【動画】 53秒(1.7 MB )
続いて、獅子舞。海蔵寺の境内での獅子舞では歯を鳴らす所作だけでは無く、天狗と対面しながら舞い踊るシーンが何度も見られる。
舞を終えると獅子は横たわるが、おそらくこれは舞手を休ませるためだろう。獅子舞は一回で10分から15分間は続けられるため、獅子頭を振る手には乳酸が溜まりパンパンになっているはずだ。
こちらは最初の獅子舞の様子で、斎竹に囲われた四辺に沿って獅子が舞う一部。
【動画】 1分10秒(2.2 MB )
そして、こちらは四回目、最後の獅子舞。舞手には疲労が蓄積されているはずだが、歯を噛みあわせて鳴らす音が力強い! 舞手の気合を感じる。(お疲れさまでした。)
【動画】 9分53秒(18.5 MB )
以上で下久具の御頭神事は終了となり祭場を後にした。
【参考】
- 天狗の舞、獅子舞(下久具の御頭神事) 2013年02月02日
【 20150207 の記録 】
- 獅子頭安置所での祭典(下久具の御頭神事)
- 天狗の舞、獅子舞(下久具の御頭神事)