2015年07月18日(土) 採鹹作業が開始されていた御塩浜 (徒歩)
神宮は自給自足を旨として御稲をはじめ多くのものを自前で調整している。神饌や修祓での清めとして利用される御塩は内宮の御手洗場から流れる五十鈴川の下流にある御塩浜にてその素となる鹹水(塩分濃度の高い塩水)が集められる。こちらで採鹹された鹹水は御塩殿神社にある御塩汲入所で保管され、その隣にある御塩焼所にて大釜で焚き上げることにより荒塩にされる。その荒塩は御塩殿の背後にある御塩倉にて保管され、10月と3月の年二回御塩殿にて三角錐の堅塩に焼き上げられると御塩として調進される。
この場所は伊勢湾にほど近く、海水と淡水が微妙に混じり合う場所、この付近は汐合とも呼ばれている。こちらは入浜式塩田で、御塩浜専用の樋管より五十鈴川の水を取り入れると天日頼みの採鹹作業が続けられる。
【参考】
採鹹作業が実施されるのは毎年、夏の土用の前後なので土用(7月20日)を前にして御塩浜を訪れた。
ところが浜には誰もいない。台風11号が通り過ぎたばかりだから採鹹作業どころではないか!
しかし、浜をよく見ると
すでに沼井(ぬい:塩が結晶化した砂を集めてより塩分濃度が高い海水である鹹水を作り出す場所)が準備されていた。おそらく台風前から採鹹作業は開始されていたのだろう。(あくまでも想像)
先ほど対岸から遠望した御塩樋管へと移動すると
銘板をパチリ。名前は「御塩樋管」、しかも管理者は「神宮司廳」となっている。まさに御塩浜専用の樋管である。
御塩樋管付近から御塩浜をパチリ。
樋管の先へ向かうとここから五十鈴川の水が引かれている。
逆に御塩浜側から御塩樋管をパチリ。
降雨の影響で砂浜の塩分濃度は0に近いだろうから天候が回復しないと採鹹作業は再開できないだろう。そんなことを考えながら御塩浜の入口へ向かおうとすると
黒い土のう袋が目に入った。御塩浜周辺の水路からの混水を防止するために積まれているようだった。
御塩浜の入口へと移動すると
この場所には注連縄が張られて立ち入りできないようになっていた。
採取された鹹水が納められていると思われる樽の姿がチラリと望めた。採鹹作業が開始されていることを確信した。
再訪しよう・・・
【 20150718 の記録 】
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