2017年09月24日(日) 回想、浅沓司 久田遼三さん #2 (徒歩、車)
朝から遠回りしてたどり着いたのは伊勢市桜木町にある浅沓司 故久田遼三さんのお宅だった。車でやってきた【キタヰの妻】と合流すると懐かしさを感じながら古市街道に面した玄関へ向かった。
神職が履く浅沓を作り続けた浅沓司 故久田遼三さんについては何度か紹介したことがある。
近々、浅沓司 故久田遼三さんを前面に紹介する特別企画展「伊勢の伝統工芸展」が開催される。
特別企画展「伊勢の伝統工芸展」
期間 : 11月10日〜12月10日
場所 : 伊勢古市参宮街道資料館
この詳細については「三重を刺激する大人のローカル誌 NAGI の vol.70 2017 秋の84ページ」にて紹介されている。
本日は企画展示の準備と写真撮影のために作業場を兼ねていたご自宅を見学させていただけるとのこと、この予定を最優先としたため、土日の他の予定は確定しないでいた。
古市街道から玄関へ向かうと窓からお二人の姿が・・・、それは遼三さんの長子である修さんとカメラマンの林裕巳さんだった。
お招きいただいたことにお礼を述べると早速玄関へ入った。玄関に立つとその右手には浅沓をつくる作業場が残されていた。私の記憶では左側だったような・・・。
修さんから「好きなように見て回ってください。」とのありがたいお言葉をいただき、そのご厚意に甘えじっくりと拝見した。
解説はできないので、とにかくパチリ・・・・・
こちらは膳のようだ。
こちらは履き古された浅沓。
作業場の隅にタンスの上には難しそうな書籍がズラリ。
ここからは遼三さん目線でのパチリ。私の記憶にあるのはこの視線の先に座っていた遼三さんだったような。
そして、現在、あの視線の先に置かれていた物はお膳や重箱だった。遼三さんはこれらにも漆を塗っていたことを本日初めて知った。
これもだろうか?
お膳の奥にある棚を探っていたらこんなものを見つけた。これは紙を貼りあわせて朝沓の上部を形作るための型だ。前後が分割されたさまざまな大きさ。
並べてパチリ。
こちらは型に合わせて紙を貼り合わせた状態、一閑張だ。
さらにこれらは浅沓の大きさを決定する足型で、個人名が記されたものも多数。
そして、最後に浅沓を運ぶための箱を見つけた。
その蓋を上げてみると縦に浅沓が納められていた。
その蓋の裏をよく見ると何とも驚きだった。
これだけ浅沓づくりの現場を見てしまうと作り方を詳細に知りたくなる。修さんに浅沓の作り方を残した資料は無いのだろうかと尋ねたがどうやら存在しないようだ。
瞬く間に2時間が経過していた。修さんにお礼を述べると遼三さん宅を後にした。遼三さんにもお礼を述べて!
今回の訪問でもっともっと浅沓のことを知りたくなった。さあ、何から調べようか!
【久田遼三さんおよび浅沓に関する記録】
- 第十四回 伊勢の匠展(大黒ホール) 2011年08月07日
- 伊勢市伝統工芸振興シンポジウム、展示 2012年02月05日
- 回想! 浅沓師 久田遼三さん (2014年1月5日)
- [ 残念!] 途絶えてしまっていた伊勢の浅沓作り 2016年04月21日
- 古市参宮街道のバス停めぐり、浅沓司 故久田遼三さん宅の売物件に気づく 2017年05月20日
- 浅沓司 故久田遼三さん宅の再訪 2017年08月06日
- 実家で見つけたお宝、久田遼三作の浅沓 2017年09月09日