2016年10月16日(日) 神嘗祭、由貴大御饌の名残を求めて(外宮) (車、徒歩)
昨日には初穂曳(外宮領陸曳)で賑わった外宮では、その夜から神嘗祭が始まった。
15日の午後10時から、さらには翌16日の午前二時から夕(ゆうべ)、朝(あした)の二回、由貴大御饌の儀が斎行される。
豊受大神宮(外宮)
由貴夕大御饌 10月15日(土) 午後10時
由貴朝大御饌 10月16日(日) 午前 2時
奉幣 10月16日(日) 正午
御神楽 10月16日(日) 午後6時
皇大神宮(内宮)
由貴夕大御饌 10月16日(日) 午後10時
由貴朝大御饌 10月17日(月) 午前 2時
奉幣 10月17日(月) 正午
御神楽 10月17日(月) 午後6時
日常の神様への食事については常典御饌とも称される日別朝夕大御饌祭が外宮の御饌殿にて斎行される。これに加え、年に三度の特別な祭典(三節祭:神嘗祭と6月および12月の月次祭)に際しては由貴大御饌にて特別なご馳走が神様にお供えされる。特に神嘗祭は神宮ではお正月ともされる重要な祭典で、神宮神田で育てられた新穀が神饌に加えられる。
由貴大御饌は夜間の参拝停止時間帯に斎行されるため、特別な許可が無いと拝観することはできない。
【参考】
- 六月月次祭「由貴夕大御饌の儀」の奉拝 2011年06月16日
- 十二月月次祭(内宮)由貴夕大御饌の儀 2012 2012年12月16日
しかしながら、特別な人でなくてもその名残を感じる方法があるので最近ではもっぱら名残を求めて訪れることが多くなった。由貴大御饌は夜間に執り行われるため照明として松明(神宮では「ショウミョウ」と呼ぶ)を使用するため、松明が燃えると炭となりその一部は参道へ残される。翌朝、しばらくすると清掃が入るため夜間参拝停止が解除されてから清掃までの何時間か、この間に参道を歩くと到る所に松明の名残を見つけることができる。由貴大御饌を特別奉拝した後にこれらの名残をたどればあの凛として神々しい雰囲気が蘇ってくることだろう。
そんなことで、夕と朝の由貴大御饌を終え、正午から奉幣の儀が斎行される外宮を早朝に訪れた。
北御門参道を進むと鳥居をくぐった先、右手には修祓が執り行われる忌火屋殿前庭がある。神饌と奉仕者はこの前庭にて修祓を受けるのでこの先の参道には松明の名残が残されている。
大庭に建つ九丈殿の脇にて。
さらには表参道と合流し、大庭の四至神に向かって。
古殿地の前。
こちらも。
正宮の蕃塀裏は松明が待機する場所となっている。
【参考】
- 元始祭(外宮) 2013 2013年01月03日
正宮の蕃塀裏。
お参りを終えると再び古殿地前。
こちらも。
ここも。
亀石を渡って別宮への参道を進むと
風宮の古殿地付近で。
多賀宮への石階を上ると
その途中にも。
表参道へ戻り神札授与所の前で第二鳥居方向を眺めて。
そして最後は参進が開始される場所であり、退下が戻ってくる場所、それは斎館の御門。
その前でも。
これから先には名残はない。斎館を後にして第一鳥居をくぐると
火除橋を渡った。その脇には「神嘗祭 十月十六日正午」の祭典看板が太陽に照らされていた。
2016年10月16日午前7時16分。