月次祭、草奈伎神社(豊受大神宮 第一摂社)

2015年12月19日(土)、20日(日) 月次祭、草奈伎神社(豊受大神宮 第一摂社) (車、徒歩)

お伊勢さん125社を何度か巡っているなか、草奈伎神社等をお守りされている祝部(役職名)の方と出会った。何度かお会いし志等美神社・大河内神社さらに打懸神社の遷御についても奉拝にお誘いいただいたが平日のためそれは叶わなかった。
何度もお断りしていたにもかかわらず、本日電話にて新たなお誘いをいただいたのは豊受大神宮の第一摂社である草奈伎神社ので月次祭、しかも夜間に斎行される由貴大御饌の儀の奉拝だった。
私はその電話に二つ返事で応えた。

草奈伎神社では年に17回も祭典が執り行われ、その内3回(神嘗祭と6月、12月に月次祭 由貴大御饌の儀)のみが夜間の斎行となる。そして今夜はその貴重な夜間の祭典だった。さらに、翌朝は奉幣の儀が斎行される。

結局、祝部さんの計らいにより由貴夕大御饌の儀にはじまり、由貴朝大御饌の儀、奉幣の儀とすべてを奉拝することが叶った。

 

余裕を持って自宅を出発し、JR参宮線 山田上口駅前に車を駐めると

JR山田上口駅付近

JR山田上口駅付近

 

駅前に続くクスノキ並木道を歩き

JR山田上口駅前、クスノキの並木道

JR山田上口駅前、クスノキの並木道

 

途中を左へ折れる。この先には草奈伎神社の社叢。

草奈伎神社の社叢付近

草奈伎神社の社叢付近

 

真っ暗だと思っていたら、入口付近はほのかに明るく、蕃塀を微かに確認することができた。

草奈伎神社の夜間照明(豊受大神宮摂社)

草奈伎神社の夜間照明(豊受大神宮摂社)

 

その明かりはこの一灯より照らされていた。

草奈伎神社の夜間照明(豊受大神宮摂社)

草奈伎神社の夜間照明(豊受大神宮摂社)

 

由貴大御饌の儀を奉拝するため到着したのが午後11時半頃。しばらくして祝部さんに挨拶するとしばし待機。神社入口付近で車の音がしてトラックが到着すると神職らが現れ、到着するやいなや祭典の準備が開始された。草奈伎神社の左手前にある祓所では、運び込まれた辛櫃から折櫃が取り出されると、ボトル状の器にて持ち込まれた四種類の御酒(白黒醴清)がカワラケへと注がれた。神饌の準備を終えると夕と朝の二回分に分けて辛櫃へ戻された。これらの作業は暗闇の中、提灯のあかりと祝部ら二名が照らすライトの光のみで進められた。
すべてが整うと三名の神職(権禰宜、宮掌、出仕)は蕃塀の脇に広げた茣蓙の上で浄衣をはおり、浅沓に履き替えると順次手水を受けた。

その後、神職三名と祝部とほか一名は一列(私もその右隣り)に並び草奈伎神社に正対すると一拝、月次祭 由貴夕大御饌の儀が開始された。午後11時56分。まずは修祓、祓詞の際は蹲踞(そんきょ:)の姿勢となった。蹲踞にて祓詞を聞くなんて私にとっては初めての体験となった。祓詞が終わると深揖の体勢で大麻と御塩による祓い清めを受けた。
修祓を終えると祝部ら二名は本殿に正対して正座、私は離れた位置から奉拝となった。
先ほど準備した辛櫃が祓所から拝殿前へ運ばれると献饌となり、献饌を終えると祝詞奏上。この際も蹲踞にて祝詞を聞いた。その後、権禰宜と宮掌による八度拝、撤饌にて由貴夕大御饌の儀は終了となった。
住宅に囲まれた草奈伎神社の社叢だが祭典の途中に車や列車の音が聞こえた。しかし、そんなことも関係なくこの場は特別な場だった。

由貴夕大御饌の儀が終了したのは日を改めて12月20日零時4分となった。すると引き続き由貴朝大御饌の儀が開始された。このように夕と朝は午前零時を境として明らかに区別されていた。新たに献饌等が繰り返されるとすべての由貴大御饌の儀が終了となった。

寒さが厳しく私はガタガタ震えながらの奉拝であったが、神職による「今朝よりも温かいですね。」の一言には驚いた。庭上祭祀を当然とする神宮の神職にとってこの寒さは序の口だったのだろうか?
段取り良く片付けを終えると明日の祭典の予定を確認してから神職らは草奈伎神社を後にした。

祝部さんにお礼を述べ、奉幣の儀の奉拝もお願いすると私も草奈伎神社を後にした。

 

 

そして早朝に目が覚めると外は日の出前、とても美しかった

草奈伎神社での月次祭 奉幣の儀 奉拝の朝

草奈伎神社での月次祭 奉幣の儀 奉拝の朝

 

草奈伎神社での月次祭 奉幣の儀 奉拝の朝

草奈伎神社での月次祭 奉幣の儀 奉拝の朝

 

草奈伎神社での月次祭 奉幣の儀 奉拝の朝

草奈伎神社での月次祭 奉幣の儀 奉拝の朝

 

 

ワクワクしながら午前7時45分頃に草奈伎神社を訪れると

草奈伎神社(豊受大神宮摂社)

草奈伎神社(豊受大神宮摂社)

 

草奈伎神社(豊受大神宮摂社)

草奈伎神社(豊受大神宮摂社)

 

まだ誰もいなかったが手水の桶が準備されていた。

月次祭 奉幣の儀、草奈伎神社(豊受大神宮摂社)

月次祭 奉幣の儀、草奈伎神社(豊受大神宮摂社)

 

由貴大御饌の儀を思い出しながら草奈伎神社にお参りした。

月次祭 奉幣の儀、草奈伎神社(豊受大神宮摂社)

月次祭 奉幣の儀、草奈伎神社(豊受大神宮摂社)

 

神職らが到着すると手際よく準備が進められた。祓所に準備された案は組立式で、その他の案(今回は使用しなかった)には蝶番が付き折りたためるようになっていた。巡回などさまざまな工夫があるのだろう。

昨夜と同様に修祓を受けると奉幣の儀が開始された。
祓い清められた辛櫃から幣帛などは本殿へと供されると祝詞奏上、八度拝、幣帛等を撤すると祭典は終了となった。

修祓を終えた時、祝部さんから「祝詞以外なら撮影の許可をもらってる」と伝えられたが、ワクワク感が一杯で撮影することなど頭にも無かった私はカメラを携帯していなかった。
しかし、可能となれば・・・、祭典の撮影では音を発しないと心に決めていたのだが、この一枚だけはその禁を破ってしまった。鳥の鳴き声に紛らせてスマホにて一枚。(少し心に傷みを感じながら・・・)

月次祭 奉幣の儀、草奈伎神社(豊受大神宮摂社)

月次祭 奉幣の儀、草奈伎神社(豊受大神宮摂社)

 

これからカメラはいつも携帯しよう! こちらは祓所、修祓の名残だ。

月次祭 奉幣の儀を終えて、草奈伎神社(豊受大神宮摂社)

月次祭 奉幣の儀を終えて、草奈伎神社(豊受大神宮摂社)

 

巡りと出会いが素晴らしい体感を与えてくれた。今後もお伊勢さん125社まいりはやめられない。「場」と「変」と「会」を大切にしよう!

 

【 20151219の記録 +α 】

 

 

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