2014年08月10日(日) 「やさしさ」 伊勢和紙による写真と書の展示 (写真:久保圭一、書:久保丈二)の回想
本記事は大豊和紙工業株式会社の伊勢和紙ギャラリーで開催されていた写真と書の展示「やさしさ」の回想である。この展示は先月、7月27日で終了している。なぜ、今頃回想しているのか?
実は7月21日に訪れていたのだが、展示会場を訪れて久保圭一さんとお話できたらそれで満足してしまいブログに記事を掲載することを忘れていた。
まずは、回想に至った理由の前に、本展示について・・・
最近は伊勢和紙ギャラリーで開催される写真展は欠かさず拝見している。
【参考】
以前の写真展
開催場所
この「やさしさ」 伊勢和紙による写真と書の展示についても拝見したいと思っていた。
特に、案内はがきにも記されている
この案内文
坂道を下っている途中、下から私を見上げ微笑んでいるおばあちゃん。
すれ違い様、突然「にいちゃん弁当やろ」といい弁当を取り出してきました。
それは、公共の弁当サービスで頂いたもの。
伊勢和紙のあたたかさを感じ、東紀州の人々・自然のやさしさを感じて頂きたいです。
これを読んだらもう「訪れるしかないでしょ!」の状態であった。
休館日のことを全く忘れていた私は7月20日に御塩道を歩いた後、展示を楽しみに外宮から大豊和紙工業株式会社へ向かった。しかし、門の前に到着すると「エッ?」、当然ながら入口の門は閉ざされていた。門の脇に貼られているポスターを確認すると休館日。これで再訪の意欲がさらに高まり、結局は翌日に訪れることとなった。
7月21日、伊勢和紙ギャラリーを訪れると写真を担当した写真家の久保圭一さんが会場にみえたので話を伺えた。温和な雰囲気で本展示のタイトルそのもの、やさしさが溢れる方だった。東紀州の皆さんや自然のやさしさが久保圭一さんのやさしさに見守られてこれらの作品に写し込まれているそんな感じだった。さらに、そのやさしさを和紙の風合いがバックアップする、やさしさの三重奏のような・・・。
いや、それだけじゃない、まだ忘れていることがある。それは本展示が単なる写真展ではないこと、『「やさしさ」 伊勢和紙による写真と書の展示』だった。久保圭一さんの弟で書家である久保丈二さんによる書も展示されていた。特に『手』は最高だった。やさしさの四重奏か!
そう言えば、前々回の作品展は『伊勢和紙作品展「四重奏 艸・爽・想・創」』だった。
会場にて久保圭一さんにお話を伺うことで満足してしまった私はその思いをブログに書くことも忘れて過ごしていた。ところが、なぜ今頃回想しているだろう。それにはふたつの偶然が・・。
ひとつは先日の記事で紹介したように、写真家の松原豊さんが第62回神宮式年遷宮 お白石持行事を密着して撮影した写真展『お白石持行事「伊勢の町衆」』が、ちょうどその頃いせシティプラザにて開催されていた。
【参考】
「伊勢の町衆」を訪れた人々の記念写真がFacebookに紹介されていたので、最近拝見していたらなんとそこに久保圭一さんと久保丈二さんの姿を発見してしまった。
さらに、ふたつめの理由はこちら。展示期間が終了し、しばらくしてから取り外された『「やさしさ」 伊勢和紙による写真と書の展示』のポスターを偶然にも手に入れることができたことだった。
ここには、案内はがきには書き切れない次の文章も添えられている。
(前略)・・・といい弁当を取り出してきました。
その弁当は社会福祉協議会の弁当サービスで頂いたもの。
「三合ご飯炊いて残ってる。腐らすのもったいない。遠慮せんと食べて」と渡されました。
この地方は小さな集落が点在してます。集落と集落の間には道路があるだけで民家はありません。
一人道路をあるいていると、車がとまってくれ、「にいちゃんどこいくんや」と車に乗せて頂いたことが何度もあります。
寒い日は、あたたかいコーヒー。暑い日には、冷たい麦茶を頂くことがありました。
・・・・・・・・・
多くの集落は、山肌にへばりつくように家々が建てられた漁師町。
海は美しい。海は厳しい。しかし海はやさしい。
海からの恵みで生命を育ててきた。
自然のやさしさを知る人々だから人にもやさしいのだろうか。・・・・・・・・・
今回は写真を綺麗に見せることを目的としていません。
人の手によって書かれた書のやさしさ、
伊勢和紙のもつあたたかさを感じ、
写真にとらえられている人々・自然のやさしさを感じて頂きたいです。
このポスターはしばらく自宅で展示しておこう!
最後に、久保圭一さんのホームページはこちら、
【参考】