伊勢和紙による 三輪 薫 写真展「こころの和いろ」@伊勢和紙ギャラリー

2017年09月18日(月、祝) 伊勢和紙による 三輪 薫 写真展「こころのいろ」@伊勢和紙ギャラリー (徒歩)

大豐和紙工業株式会社から届いた伊勢和紙ギャラリーでの写真展の案内状。

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)の案内

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)の案内

 

今回は 三輪薫写真展「こころのいろ」で昨日より開始された。

伊勢和紙による三輪薫写真展「こころのいろ」

写真家三輪薫氏の作品展は、伊勢和紙ギャラリーでは10回目となります。
今回は2016年に開催したキヤノンギャラリー展の巡回展で、新作10点を追加して展示します。

会期 ◎ 2017年9月17日(日) > 10月15日(日) 9:30 > 16:30 (9月24日・10月1日・8日は休館)

10月14日(土)13:30 より作者三輪薫によるギャラリートークがあります。
会場 ◎ 伊勢和紙ギャラリー (大豐和紙工業株式会社 内)
〒516-0079 三重県伊勢市大世古一丁目10-30 Tel: (0596)28-2359 http://isewashi.co.jp/  info@isewashi.co.jp

三輪 薫 ◎ 〒252-0131 相模原市緑区西橋本4-9-62 Tel: (042)771-5577
三輪薫は9月17日(日)から19日(火)、10月13日(金)から15日(日)に会場にてお待ちしています。

鮮やかでもドラマチックでもない、しかし、優しくさりげない日本の風景の表情には微妙な機微に溢れた魅力があります。写真家三輪薫は日本の四季折々に美しい自然風景と向き合い、カメラで日本画を描くような作風の構築を目指してきました。多種多様な和紙に日本的な色で描かれ表現された世界観が、見る人の心に優しく余韻を残します。

【引用】 大豐和紙工業株式会社 のホームページより

 

昨日は台風18号の影響で荒れた天気となっていたため自宅待機。今日は午後から写真展の観覧を目的に【キタヰの妻】と散歩しながら伊勢和紙ギャラリーを訪れた。

伊勢和紙ギャラリー(大豐和紙工業株式会社内)

伊勢和紙ギャラリー(大豐和紙工業株式会社内)

 

受付を済ませて二階へと続く階段を進むと踊り場には何とも印象的な作品が。

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

 

メインギャラーへ入るとその正面には横長の大きな作品。淡い色調の中に緑色の葉っぱが印象的だ。(これらの作品は壁面から浮かすように離して吊るされている。中央の作品の左右に配置された作品は額装されているが、複数の和紙が重ねられている)

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

 

こちらに展示されている作品はまるで絵画のようで、タッチが柔らかくすべてが淡い雰囲気に仕上げられていた。

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

 

また、ギャラリーの隅には次の説明書きが掲示されていた。

三輪薫写真展
「こころのいろ」

長年日本的な作品表現とは何かと模作し
カメラで日本画を描くような作風で
自分の理想の色や
心にやさしく感じる色を求めてきた
「こころの和いろ」の世界

鮮やかでもドラマチックでもない
四季折々の日本の自然風景に惹かれ
淡い色の中でわずかな色の差に魅力を感じる

「こころの和いろ」を
和紙をうまく受け止めてくれる

 

今日は三輪薫さんが在廊されていたのでじっくりとお話を伺うことができた。

作品を観て「絵画的である」と評価されることは期待することであり嬉しい。

風景を撮るなかで日本画のような作品を撮りたいと考えるようになり、カメラで日本画を描くと主張してきた。「カメラで描くとは何事だ」と批判されることも多かった。

フィルムの時代からいつかは和紙で印刷したいと思いながら和紙での印刷を想定して撮影、現像するノウハウや技術を蓄積してきた。なお、フィルム時代にもモノクロなら和紙へ印刷する技術はあったが、耐久性や費用面で問題があった。

写真家として独立した当初、撮影機材(カメラとフィルム)にはお金をつぎ込んだが、三食を自炊し車に泊まるなどそれ以外はとても質素な生活を送っていた。また、納得できる作品づくりのためにフィルム時代には年間1000〜1500本は撮っていたがこれぞと思うほどに撮影できるものはひと握りだった。同じ被写体でも撮影条件を変え、撮影環境を変え何枚も撮り続けた。性分だから仕方ない。

さらに、作品の良し悪しに影響を与える要素は撮影だけでなく現像などさまざまな工程にある。カメラとレンズの組み合せだけでも変わるし、さらに撮影条件設定、フィルムの選択など組み合わせは千差万別となる。突き詰めればキリがない。特に最近はデジタルカメラを利用するようになるとレタッチで自分が目にした状況を細部まで再現できるようになった。しかしその作業には終わりが無く始めると時間を忘れるほどになる。突き詰めればキリがない、どこでキリをつけるか妥協が必要になる。

今でもフィルムを使用しているが、デジタルカメラで撮影条件を確定してからここぞという場面でフィルムカメラを取り出して撮影できるため、非常に効率のよいフィルム撮影が可能となっている。

また、前回の写真展「仏蘭西・巴里」のようにモノクロの作品はモノクロフィルムで撮影するよりもポジフィルムで撮影したものをデジタル化してモノクロ化する方が表現力が高くなる。

さらには三輪薫さんが望む表現とマッチした伊勢和紙の話になると

伊勢和紙さん以外にこれほど素晴らしくマッチする和紙を提供できるところはない。印刷に関する協力だけでなく、製造者の方々からも展示に対する改善提案が出たりとさまざまな点でのコラボレーションとなっている。例えば、壁面から手前に数センチ離して吊る手法や背面にアクリル板を入れて静電気により引き寄せるなど・・・。

このように私の作品は和紙製造、印刷、額装などさまざまな方々の協力のもとで成り立っている。その関係が素晴らしい。

この吊りの下にある横木は、指物師である兄に国産の漆で塗ってもらっている。

 

まだまだお話していただいたと思うのだが、今日はメモもせずに聞き入っていたため、今思い出せた内容だけを列挙した。(思い出したら追記しよう。三輪さんゴメンナサイ)

 

こちら、伊勢和紙ギャラリーに展示されている作品はすべてCanonのデジカメで撮影したもので、伊勢和紙館にはフィルムカメラで撮影した作品は展示されていた。

伊勢和紙ギャラリーにて、次の右側の作品は二枚重ねだが、裏面は反転した状態で裏側から印刷されている。部屋の中央に吊れば両側から観える作品となっていた。これは話を伺わないとわからないこと。

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

 

案内状に印刷されていた作品も平面から離して吊られている。

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

 

こちらの作品の裏面には静電気を発生させるためのアクリル板が設置されているそうだ。

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

 

踊り場の吊りは3枚構造になっていた。

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

 

さらに、こちらの横木が国産の漆で仕上げられたもの。他にも目にすることができる。

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

三輪薫写真展「こころの和いろ」(伊勢和紙ギャラリー)

 

今回、三輪さんにお話を伺うことができ、ただ観ているだけでも素晴らしい作品がさらに素晴らしく感じられた。

 

伊勢和紙館にてフィルムカメラでの作品を拝見すると刺激を受けて、とりあえずインクジェットプリンタで印刷できる和紙を購入してしまった。(もっともお値打ちなものだが)モノクロームな日々の写真を和紙に印刷してみよう。また、新しい試みが増えてしまった。いつ訪れても伊勢和紙ギャラリーでの写真展にハズレはない。

伊勢和紙館(大豐和紙工業株式会社内)

伊勢和紙館(大豐和紙工業株式会社内)

 

最後に、私が体感した過去の記録はこちら。

【伊勢和紙ギャラリーにて以前に体感した企画展ほか】

など・・・

 

Comments

  1. 和いろ も良いと思いますが
    2階の榊2つ が 他をよせつけない
    たたずまいで美しい。

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