2014年03月09日(日) 宮川プロジェクト活動報告会(宮川流域ルネッサンス事業) (車、徒歩)
宮川流域ルネッサンス事業では宮川流域案内人による行事が多数実施されていて、私も何度か参加させていただいた。今年に入ってからでもすでに二回。
【参考】 2014年に参加した行事
【参考】 今までに参加した行事も・・・
このようにかなりお世話になっている。宮川プロジェクト活動報告会として纏まった報告会が開催されたので参加することにした。また、活動報告のほかに畦地履正さんによる基調講演『足元にタカラモノはある』の楽しみにしていた。
度会郡大紀町野原での散策を終えると宮川を渡って多気郡大台町栃原にある「グリーンプラザおおだい」へ戻ってきた。この施設を訪れるのは初めてだった。玄関へ入ろうとしたらITVが撮影していたので
一時待機。
撮影が終わるのを待ってから建物へ入るとなかはかなり広かった。会場である一番奥の右手にあるホールへ入ると壁に報告会次第が張られていた。
定刻の12時になると宮川流域ルネッサンス協議会の副会長、案内人会の会長による挨拶の後、オープニングの演奏では二名が個別に弾き語り。
そのなかでも『三重県民歌』が印象に残った。県民のどれだけがこの歌を知っているのだろう。また、どれだけの人がこの歌を歌えるのだろうか?
三重県のホームページに掲載されているとのことなので、紹介しておく。
【参考】 mp3 または wav にて曲を聴くことができる。
【2012年の活動報告】
演奏が終了すると2012年の活動報告が二件。
寺村善治さんによる「今よみがえる平家伝説シリーズ」はシリーズだけあり、山歩き、講話などさまざまに趣向が凝らされた企画であった。記憶に残ったのはキーワード「二十日(盆、命日)」と内宮領および外宮領、紀州領の三領を分ける三坪塚。次回があればぜひとも参加してみたい。
また、成瀬慶介さんによる「薬剤師会の取り組み」では、里辺や里山にて薬用植物を観察する会の報告で、配布された資料には多数植物の名前が写真付きで紹介されていた。「ちょっと勉強してみようかな?」と言う気にさせられた。
【大台山渓轟太鼓ジュニアによる太鼓演奏】
その後、前段の報告が終了すると「大台山渓轟太鼓ジュニア」による太鼓演奏が披露された。楽屋裏からは運び込めないほど大きな太鼓が舞台の前面から準備されると
演奏された曲は3曲、子どもたちとは思えないほど力強く印象的な演奏だった。
【動画】 4分16秒(8.5 MB )
【動画】 6分05秒(12.6 MB )
【動画】 3分44秒(7.9 MB )
太鼓の演奏が終了すると後半へ。
【2013年の活動報告】
こちらも報告は二件。
小倉公守さんによる「膳の取り組み」では「小さいことから一歩ずつ」、農地を耕しで作物を作り、そこで得た収入を活動費用に当てる。その作物はマコモダケ、そばなど。これらの行事が実施されたことは知っていたのだが、なかなか日程が合わなかった。次回はぜひとも参加してみたい。
そして、最後の報告は宮川流域案内人会の会長である巽幸則さんによる「宮川ウォーク(左岸)」。このウォークには参加できなかったので、4月から実施される「宮川ウォーク(右岸)」には参加予定だ。(すでに申し込み済)
【畦地履正さんによる基調講演『足元にタカラモノはある』】
( 写真、映像撮影は主催者のみに限定されていたため、講演風景等の写真、動画は無いため、この日に頂いた道の駅「四万十 とおわ」のパンフレットと新聞バッグをパチリ。 )
一連の報告が終わると本日の最後、道の駅「四万十 とおわ」を運営している株式会社四万十ドラマの代表取締役である畦地履正さんによる基調講演『足元にタカラモノはある』。先ほどの次第には基調講演と書かれているが基調講演なら最初に実施される・・・?。まぁ、細かいことは「いいか」と思っていたら、ケチがついてしまった。畦地さんが持ち込んだパソコンと会場に準備されていたプロジェクタの信号周波数が整合しなかったようで、スライド抜きでの講演となってしまった。
しかし、畦地さんはトークのみで講演時間を話し切った。話のほとんどは「地元のひとりの女性が作成し、今では海外では高価で売られ(ニューヨークでは約1000円)、かつ作り方のノウハウなどソフトウェアが商材となっている新聞バッグ(新聞紙を再利用して強度の高いバッグに仕上げてある。作り方は特許となり登録商標も取得され、今はデザインも多彩)」と「地元に根ざし地元にお金を落とす仕組みで作られたこだわり商品」の紹介だった。
これらの商品が生み出された背景には、畦地さんやその仲間の徹底した地元志向があり、そのポリシーは「ローカル」「ローテク」「ローインパクト」である。
- ローカル: 四万十川を共有財産に四万十の豊かさ・生き方を考える
- ローテク: 地元の素材・技術・知恵、第1〜1.5次産業にこだわる
- ローインパクト: 四万十川に負荷をかけずに風景を保全しながら活用する
この考え方に基づいて、地元の人が企画して地元で採れた材料を使い地元の人がパッケージングも含めて商品を作り、株式会社四万十ドラマが売る。しかも、四万十まで足を運んだ人しかその商品を手にすることができない。凄まじい地元主義だ。理想であることは分かっていてもそれを実践し、続けていることは非常に大変なことだろう。この理想的な形態が出来上がるまでには想像を絶する苦労があったことだろう。
「ローカル」「ローテク」「ローインパクト」の他に、畦地さんが口にしていたキーワート三兄弟を二種類。
- 「人」「作り方」「思い」
- 「キーマン」「モチベーション」「考え方」
さらに、印象に残った言葉は、
- 「方向を定めて、ブレない」
- 「手間暇をかける」
どの言葉にも納得でき分かってはいることである。しかし、こうして突き付けられると実践できない自分自身にぐさりと刺さるものがあった。通常なら一日も経てば講演内容は記憶から薄れてしまうが、畦地さんの講演は「ローインパクト」どころか、強烈なインパクトを私に与えた。
私はソーシャルビジネスには携わっていないし今後も携わる予定はないが、いかなる仕事、生活場面のおいても当てはまることばかりなのでこの「インパクト」をなんらかの形で活かしたい。(感謝)