2015年01月31日(土) 高向の札場を巡って(御薗町高向) (徒歩)
先日、記事に書いたように伊勢市御薗町高向には札場と呼ばれる場所がある。
【参考】
- 最後の札場、発見(伊勢市御薗町高向) 2015年01月02日
この時は札場は5ヶ所だと思っていたので、今回、次のマップに従ってその札場(5ヶ所)を巡ったのだった。
ところが・・・
改めて「高向の札場」を調べるために、次の記事にて紹介した書籍「日本の神々 神社と聖地6 伊勢 志摩 伊賀 紀伊」を再読したところ、札場は実は『6ヶ所』あることに気付いた。
- 御頭神事(高向大社)へ向かう 2011年02月12日
- 日本の神々 神社と聖地6 伊勢 志摩 伊賀 紀伊
この「日本の神々 神社と聖地6 伊勢 志摩 伊賀 紀伊」のP.59には
現在、伊勢神宮と地元の直接の関わりはないが、地内六か所(セコ)に神宮の神札を祀る「札場(ふだば)」という施設があり、毎月一日には「セコ参宮」と称して各セコ(本村内の六組)の代表が神宮へ参拝し、両宮の神札を受けてきてそこへ祀る習慣が残っている。これは六軒の神人と何らかの歴史的な関わりを持つ遺習かもしれないが、はっきりしたことは分からない。
と記述されていた。
正しくは次の6ヶ所だった。(この地図には札場の文字が5ヶ所にしかなかったため、5ヶ所だと思い込んでしまっていた。)
(6)については訪れる時間がなかったので、Google Mapのストリートビューで確認したところ、確かにこの場所に札場が存在していた。
【参考】
今回はそのことに気付かずに(1)〜(5)を巡ったのここでは、とりあえず5ヶ所分を紹介する。
国道23号に架かる歩道橋から宮川大橋方向を望み、左へ視線を振ると二箇所に社叢を確認できる。左側はお伊勢さん125社のひとつである宇須乃野神社(豊受大神宮摂社)の社叢、そして右側が御頭神事で有名は高向大社の社叢である。
歩道橋から下りると高向交差点を左折して高向へと向かった。地名板には獅子のイラストが描かれている。
高向にある高向大社で執り行われる御頭神事は国の重要無形民俗文化財に指定されている。禱屋と呼ばれる当番が神様の分霊を自宅の玄関先に置かれたオワケにておまつりするなど年間を通じて多数の祭が執り行われ、その締めくくりとして2月の第二土曜日にメインイベントである御頭神事が斎行される。
先ほどの地名板からさらに進むと左手には御頭神事の祭場のひとつである切祓祭場がある。
御頭神事の際、この場の雰囲気は一変する。
【参考】
切祓祭場(上の地図では斬抜場)を後にして高向の札場(2)へ向かうと
この先は、御頭神事の打祭り祭場となる。
【参考】
そして道の右手に札場がある。
来た道を振り返ってパチリ。
この札場(2)の横には、「道清禅門」と刻された石板があり、
その奥には、次の石仏がまつられている。
ここからさらに先へ進むと各家の入口に張られた注連縄を目にすることができる。
そして会所へ到着。この周囲では近々執り行われる御頭神事のための準備が進められていた。(その内容は別の記事で紹介する。)
会所を過ぎると高向の札場(1)へ向かった。その途中で振り返ると宇須乃野神社の社叢が望める。なお、宇須乃野神社の前には高向の札場(3)が建っている。
社叢を背にして真っ直ぐ進むとその先には
高向の札場(1)。
神棚の中を確認したい衝動にかられるが「いかん、いかん」と左手で右手を抑えた。「我慢、我慢」、いつか「セコ参宮」を体感したいものだ。(今も「セコ参宮」が実施されているのかは不明なので、近いうちに確認したい。)
来た道を振り返ってパチリ。
これから向かうのは左手に社叢が見える高向大社だ。
前方の丁字路を左へ折れて社叢へ近づくと
社務所の前に到着する。
その先にある
鳥居をくぐると
高向大社の参道を進んだ。
右手にある手水舎にて心身を清めるとさらに進み、頭上に張られた太い注連縄をくぐる。
鳥居をくぐると
拝殿にてお参り。
御頭神事の様子は・・・
【参考】
御頭神事の様子を思い出しながらパチリ、・・
参道を戻ると鳥居の外には御頭神事の「日和見」の儀式で回る不浄除石が中央に置かれている。その遠方には宇須乃野神社の社叢が望める。
ズームでパチリ。
高向大社の全景を写してから
宇須乃野神社の前にある高向の札場(3)を目指した。巨木であるクスの木が立っているので迷うことはない。
そして、宇須乃野神社の近くへ到着するとそこには札場(3)がある。
背面から
そして、正面からパチリ。
せっかくなので、お伊勢さん125社のひとつ(いや、同座があるのでふたつ)である宇須乃野神社(豊受大神宮摂社)、縣神社(同末社)を同座に
お参りした。
御扉の前にはカップ酒がお供えされていた。ラベルは神様にしか見えないように。
宇須乃野神社を後にするとこのお店の前を通り、高向の札場(4)へ向かった。この先は狭い道で軽自動車が通れるくらいだろうか?
注連縄を眺めつつ、先へ進むと
左手に広い場所があり、その端に
札場(4)がある。この先を望むと国道23号が見える。こちらは札場(2)の方向だ。
反対方向からもパチリ。
札場(4)を後にすると宇須乃野神社の近くまで戻った。
前回の訪問時(本記事の最初に紹介したリンク 最後の札場、発見(伊勢市御薗町高向))に札場(5)を見つけたルートとは異なり、手前を右へ折れ立派な土蔵を左に見ながら道なりに進むと
札場(5)へ到着。前回は反対方向から近づいてきた。
札場(5)をパチリ。
その背面には多数の石像遺物が立ち並んでいる。
青面金剛が邪鬼を踏みつけている像。
さらには数々の庚申塔。
高向の札場(5)は高向西公園の入口付近に建っている。
以上で高向の札場(1)〜(5)の巡りは終わったが、まだやるべきことが残っている。
- 新たに見つけた高向の札場(6)を含め、改めて高向の札場を巡る
- 両宮の神札を札場にお供えする「セコ参宮」が現在も実施されているのかを確認する。
【 20150131 の記録 】
- 高向の札場を巡って(御薗町高向)
- 高向大社 御頭神事に向けての準備(御薗町高向)
- 今社にて茅の輪神事(伊勢市宮町)
- 御遷御に向けて修祓所、手水舎の造替(月夜見宮)
- 月夜見宮のお稲荷さんの御由緒
- 萬福稲荷大明神に貼られた寒中御見舞札(伊勢市河崎)
- つかず、はなれず(ウォーキングにて)