2017年02月18日(土) 横山ビジターセンターによる自然観察会「志摩の海水から塩をつくろう」@ともやま公園チムニーホール (車、徒歩)
横山ビジターセンターによる観察会として「志摩の海水から塩をつくろう」の企画が実施された。
今まで神宮の御塩づくりを何度も目にし、自分自身でも塩を作ってみたいと思っていた。この企画を知ると迷わずに参加を申請し、待ちに待って今日がやってきた。
【参考】
- 御塩焼所での荒塩の焚き上げ作業(御塩焼き)、御塩殿神社(皇大神宮 所管社) 2016年08月08日
今回の会場はともやま公園(志摩市大王町波切)のあるチムニーホール。少し早く到着したのでまずは公園入口よりも先にある慕情が丘へ向った。ここからは
英虞湾が望める。もう何年ぶりに見るだろう。
さらに近くで眺めたくなり、坂道をくだった。
まだ少し早かったが慕情が丘を後にしてともやま公園へ移動すると
今回の会場であるチムニーホールへ向った。
するとホールの中央では
参加者を迎えるために準備が進められていた。この場所で塩が焚き上げられる。薪に火が着けられその上の鍋には塩水が注がれていた。この塩水は深谷水道で取水されすでに6〜7時間焚き上げたもので、7倍ほどに濃縮されているとのことだった。通常は海水から塩をつくり上げるまで約8時間ほどかかるそうだ。
本日の観察会は2時間弱の予定なので、塩分濃縮が必須となる。その話を聞くと先に紹介した神宮の御塩づくりを思い出す。御塩浜では天日を利用して塩分濃度が高められた鹹水に仕立てられる。その鹹水が御塩焼所へ運ばれて焚き上げられる(御塩焼き)のだから、今回もそれに近い作業だ。つまり今日は御塩焼きとなった。
観察会の開始までまだ30分ほど余裕があったので、歩いて海を目指した。展望台からさらに下ると
ここも立入禁止。結局は海へたどり着くことができずにチムニーホールへ戻ることになった。
ホールへ戻ると焚かれる薪の量が増え、海水は湯気をあげていた。
さらに参加者が独自で塩つくりを体験できるようにこんなコンロも用意されていた。
参加者が集まるなか
塩水に浮かぶ灰ばどを取り除く作業が続けられた。
さらにその近くでは竹が割られ、米を炊く準備が進められた。
ついに開始時刻となった。
こちらの海水はどんどん焚き上げられた。
バーベキューコンロの上には竹飯盒のための薪が準備され火を上げた。
竹飯盒に米が詰め込まれると
先ほどのコンロの上に並べられた。
私はこちらと
こちらを行ったり来たり。
開始から50分ほどが経過すると
水分がかなり飛ばされた。
焦げないように注意しながら・・・
そしてついに苦汁を落とすタイミングとなり鍋がコンロから外された。
焚き上げた塩を手拭いで作った袋に詰めて
上下に振ると多量の水分がひと筋になって垂れ落ちた。これが苦汁、舐めると苦くてしょっぱい。
苦汁が取り除かれた塩を再び火にかけると完全に水分が飛び去るまで炒り上げる。
20分ほど手をかけると
徐々にサラサラになり
開始から1時間20分ほどで、ついに完成した。
目の細かいふるいで2種類の塩に分けられた。
こちらは目の細かい塩で、サラサラ美しい。
竹飯盒で焚き上げたご飯に先ほど焚き上げた塩をまぶしてパクリ。旨い!
苦汁を取り除くために使用した手拭いには般若心経が書かれているものがあった。思わず唱え始めた。「摩訶般若波羅蜜多心経 観自在菩薩行深・・・」
なお、チムニーホールとは屋内キャンプファイヤー場とのことだった。ともやま公園には多数のキャンプサイトがあり、所々にキャンプファイヤー場がある。しかし、このチムニーホールなら雨の日でもキャンプファイヤーを楽しめる。まぁ、それが良いのか悪いのかは別として、こんな施設があることを初めて知った。
こんなところにも多数の塩が残されていた。
今回作られた塩は参加者にお土産として分配された。
いただいた塩がこちらの2種類で、左側が粗塩。
自宅でも塩をつくってみたくなる体験となった。この塩が美味くて旨い。