2014年04月12日(土) 清流宮川の源流部から海まで歩こう!第一区間 宮川ウォーク・右岸 (車、徒歩)
待ちにまった宮川ウォーク・右岸の初回、第1区間に参加した。
宮川ウォークは宮川流域案内人の会主催行事であり、清流宮川の源流部から海まで!と題し昨年の左岸に続いて今年は右岸を歩く。
「川の源流」というキーワードでは、遊びがてら勢田川を河口から源流の手前(やぶ漕ぎができずに源流までは未だたどり着けず)までたどったことがあるが、宮川のような長〜い川に沿って歩ける機会はなかなかない。
【参考】
昨年の宮川ウォーク・左岸については、第二伊勢道路 開通記念ウォークで出会った方から「明日は宮川ウォークに参加する。」と聞き初めて宮川ウォークの存在を知った。翌日が左岸の第1区間実施の日だった。
【参考】
その後、宮川流域案内人とともに「紅葉の粟生頭首湖遊覧と熊野古道散策ハイキング」に参加した際に翌年には宮川ウォーク・右岸が計画されているとの話を伺った。
【参考】
また、偶然にも「宮川ウォーク・左岸」の最終第5区間のウォークに出会ったことがある。
【参考】
実はその時から心待ちにしていた「宮川ウォーク・右岸」だったのだ。
宮川の源流部へ向かうのは初めてのこと土地勘もなく、十分な余裕を持って集合場所であるカラスキ谷公園へ向かった。このウォークでは全区間共に集合場所からスタート地点までバスで送っていただけるのでありがたい。
集合場所には多数の人が集まってきた。参加者は約50名で半数がニューフェース、残りは前回の左岸にも参加した人たちだった。私はもちろんニューフェースだ。
定刻になると2台のバスに分乗し、スタート地点である桑木谷へ向かった。
しばらくは左岸を走っていたが、
大杉谷橋を渡ると
これから歩く右岸の道を進んだ。スタート地点で折り返して歩くため予測できる安堵感はあるが未知との遭遇のワクワク感は低下・・・。
宮川ダムを過ぎると宮川貯水池の複雑な形状を水平になぞりながら・・・時にはトンネルも通過・・・。直線距離と比較したら道のりは倍以上になるかもしれない。
そして2台のバスはカラスキ谷公園を出発してから約50分後、宮川ウォーク・右岸の出発点である大杉桑木谷に到着した。まずは柔軟体操でウォーミングアップ。
その後は、宮川流域案内人であり宮川流域案内人会の会長でもある巽幸則さんに導かれて『宮川ウォーク・右岸』が開始された。この谷は桑木谷、文字通り当時は桑の木が一面に植えられていたそうだ。今や山の頂まで杉だらけ。
そして、下流方向に向かって右手に床下の土が削られた小屋がある。
10年前、2004年の豪雨災害による被害の傷跡が今も残されている。今は上流から流された多量の土砂が谷の右岸(足元)に積み上げられているためにあまり高さを感じないが、災害が発生した当時は沢に立つと小屋の床下を見上げるほどだったとのこと。
また、この小屋の近くにはフェンスで囲われた場所がある。
こちらは、このあとウォークで通り過ぎる宮川第一発電所取水口から紀伊長島の方へと続く導水管の空気抜き孔だとのこと。水を抜けが車両を入れることもできる?
【参考】
スタート地点の散策を終えるとウォークが開始された。
私はこの桜に誘われたので、皆さんからなるべく遅れないように気をつけながら寄り道。(今日は団体行動なので要注意、いつものように寄り道にのめり込むわけにはいかない。)
私には無い後ろ髪を引かれながらこの場を後にし、
皆さんを追いかけた。
竹林があるのは人が生活していた証。筍は食料になるし、竹自体を加工すればさまざまな生活雑器を作ることができる。と説明を受けると、今度は道の真ん中にある水溜りでヒキガエルのおたまじゃくしについての説明。宮川ウォークには発見がいっぱいだ。
こちらが、ヒキガエルのおたまじゃくし。
歩いているとこんな光景も見られる。落石防止網を突き破る木の枝。
こちらは役目を果たした落石防止網。何とか道路上への被害を抑止していた。
その片隅に・・・。
先へ進むと先頭が立ち止まっていた。「なんだ、なんだ!」
木の枝の間から微かに滝が見えていた。それは前回の宮川ウォーク(左岸)のコース上にあった六十尋滝だった。左岸には参加していないので六十尋滝には会っていない。いつかは近くで体感したい。
こんな大きな落石もあり、周囲に気を配りながら・・・。
こんな晴れやかな風景も現れる。
しばらくは黙々と歩いていたので、路傍の風景などをパチリ、パチリ・・。
またまた、先頭が立ち止まっていた。みんなが見上げてカメラを構えてパチリ、・・・。
こちらはヒカゲツツジだそうだ。不案内な私でも花の先生がたくさんいるので心強い。
こちらは私が単独で覗いたもの。「注意」警告板の向こうには
「のぞきトンネル」が見えた。
続いては右手に仙千代が峰の登り口があり、
こんな警告。近くには一年前に行方不明となった男性を尋ねる掲示があった。
そして、倉元谷川に架かる倉元橋を渡ると休憩となった。川と言っても土砂に埋まり流れは全く見えない。
しばしの休憩を終えて歩き始めるなりパチリ。
「おっ、まだ宮川村だ。」平成の大合併で三重県から村は消失してしまった。村の名残がここに。いつまで残っているのだろうか? 私が住んでいる伊勢市御薗町も以前は御薗村だった。村の方が良かったことが多い、というより市になってから良いことがない。この「村」の文字で嫌なことを思い出した。
右手には鉄製の急な階段が・・・。見上げると神棚が祭られていた。
思わず恐る恐る登るとお参りしつつ、周囲を確認。神棚の上には巨大は岩があり、それは縦に割れていた。この欠片は今にも落ちそうだった。
その後、
到着したのは軍艦島。宮川貯水池へ突き出すように伸びる(尾根の一部か)。
折角の機会なので、希望者はその先端までをピストンした。
どんどん下り、
この先でストップ。(歩道はロープで囲われていて)水面まで下ることはできなかった。
軍艦島を後にして
こんな岩の切り通しを抜けると
その先には、最初で話題とした宮川第一発電所取水口がある。
フェンスから下を覗き込むと
こんな感じだ。ここから取り込まれた水は導水管で紀伊長島へと送られて、第一発電所、続いて第二発電所での発電に利用されている。
さらにこんな道を進むと
前方には丁字路がある。
左手には赤色の橋、新大杉橋(通称、赤橋)が架かっている。
この橋を渡って行けば、先ほど見かけた六十尋滝やその先の大杉谷へと続く。
少し歩いて見た。足元はグレーチングだ。
なお、この橋は国立公園と県立公園との境界となっていて、上流側(写真の左)は「吉野熊野国立公園」、下流側は「奥伊勢宮川峡県立自然公園」とのこと。
上流側を望むとすぐに引き返し、先行する方々の後を追った。時間があれば対岸まで渡ってみたのだが・・。
橋を背にすると正面にこの道標がある。「左 伊賀、右 松坂」松阪のサカが坂の字だから明治以前のものか? でも、この道標はどのルートを指しているのだろうか?
またまた疑問を残しながら先へ進むとトンネルが見えてきた。
瀬戸の堀トンネルだ。
バスならあっという間に通り抜けたが、歩きだとそれなりに時間がかかった。
トンネルを抜けると「山の神」「水の神」に混じり多数の石像が並んでいた。
こんなベンチを過ぎてしばらく進むと
左手に東屋が現れた。この辺りで休憩、昼食となった。
宮川貯水池の畔まで下れるとのことだったので、足元に注意しながら下った。
こんな風景を見ながらの昼食。
今朝は6時に出発したのでいつものおにぎり3個ではなく、昨日に購入しておいたパンでの昼食となった。パンのみでの昼食でもこの風景はそれを贅沢なものに変えてくれた。私が長い距離を歩く場合はいつも歩きながらの食事となるので、落ち着いた昼食も時にはいいものだ。
そして対岸を注意深く見ると
石積みの跡がある。ダムに埋まった集落の名残だそうだ。この場所以外にもいくつかの石積み跡があった。
この宮川貯水池でも以前は大きな鯉が水面から飛び跳ねていたとのこと。今は魚影さえ見えず魚の気配を感じることができなかった。
ゆったりとした昼食時間が終了し下ってきた道を登り返すと桜の花が風に舞っていた。
東屋付近で人数確認の上で歩き始めた。休憩が長めだったので歩くテンポを元に戻すのに時間がかかる?。私は休まずに歩くタイプなので特に長い休憩は苦手だ。
先週で桜は見納めと覚悟していたが、今日は今まで以上にさまざまな桜を楽しめた。
通行止の道路情報。大杉谷海山線は開通までこぎ着けた矢先に再度被害が発生し開通には及ばなかったとのこと。
水面を見下ろすと
船の姿が見えた。これが宮川貯水池の観光船だった。
桑木谷を出発してからやっと人の気配を感じることができる場所へ到着した。
食堂のおばちゃんに会釈してからその向かいを見ると
こんな道標。「大杉明神参道入口」とある。
さらに宮川貯水池側へ移動すると「観光船乗船場入口」の案内板があった。単独行動なら川面へと続く階段を降っていただろう。
今日のところは団体行動なので、大杉谷自然の家の前を通り
大杉神社および大杉谷大スギの案内板の前に集合した。
大杉神社にも大スギにも興味があったが、ここから徒歩で40分ほどかかるため今日のルートには含まれていなかった。「いつか来るぞ!」
また、近くの桜は今が散り際だった。
【動画】 15秒(1.7 MB )
トイレ休憩と説明が終了すると再び歩き始めた。
モルタルが吹き付けられた斜面には、こんな風に青面金剛像(?)。
さらに、大宮町営バスが通過した。バスに会う回数が多い。
一時間に一本は出ているのだろうか。しかも今日は土曜日で休日だ。このバスを利用すれば独りでも宮川ウォーク・左岸の第一区間を歩くことができるだろうか? 調べてみよう。
この先で、左後方を振り返ると先ほど見下ろした観光船が見えた。奥の方にも小さなボートの形が見える。完全に水面からは離れた場所だが・・・。
しばらく進むと
こちらでは望郷の碑の脇からダムの底に沈んだ集落に思いを馳せながらその方向を遠望。
こちらが望郷の碑だ。
さらに先へ進むとこちらは慰霊碑、ダム建設工事中に事故の犠牲となった方の慰霊碑だ。
続いては宮川貯水池の水を堰き止めている宮川ダム。
一門のゲートが破損していて修理中だった。
こちらだ。
【参考】
新大杉橋(通称、赤橋)で説明を受けた下流側の「奥伊勢宮川峡県立自然公園」の錆びた看板が現れた。
この整備は県の仕事だろう。いかに力が入っていないかを感じさせる風景だ。作ったなら維持整備すべきだし、維持できないのなら撤去したほうがましだ。
宮川ダムを左手に見ながら通り過ぎると次の道標。これから進むのが「久豆」で、
裏側は今まで歩いてきた「大杉」。
ダムを後にして坂を下ると左手には谷筋を埋め尽くした土砂が積み上げられた残土置き場となっていた。広い置き場に足を踏み入れると宮川を見下ろす位置まで・・・。「あっ、カメラを向けている。」
私もこの並びに加わり、川筋を見下ろすと一筋の滝が見えた。
ズームでパチリ。この滝が「定入滝」だった。左側には細い滝も見えた。肉眼では見えなかったがさすがにカメラの威力だ。
土砂置き場の隅で置き場を見下ろした。こんなにも土砂が積み上げられていた。
そして、右岸を離れると大杉谷橋で左岸へ移動した。しばらく右岸にはルートが無いため左岸歩きとなった。
この先、左岸の大杉谷方向も通行止めになっていた。
大杉谷橋の下流側には古い橋の跡が残されていた。
また、この橋の名残の背後には「湖山荘」の看板を付けた御料理旅館があった。
しばらくこんな感じの左岸歩きが続いた。前と後の距離が・・・。
こんなところにも祠があり青面金剛像(?)が祭られていた。
大台地域総合センター前 バスのりばに到着。
ここには大杉谷自然学校がある。
【参考】
さらに、左岸を歩いていると先頭が立ち止まった。
こちらに注目していたのだ。これは鮎の稚魚を放流するためのホースとのこと。バケツで川面までを往復しなくても良いし、この方法だと稚魚を傷付けることも少なくなるそうだ。
桧原(きそはら)へ入ると
この若山橋を右手に見ながらさらに先へと進んだ。
左手に見えてきたには
この風景。こちらは旧大杉中学校の校門と階段。
門に近づいてパチリ。確かに「大杉中学校」と記されていた。
旧大杉中学校を後にすると左手には落石注意の道路標識と杉林。こんな所を石が転がるのか?
さらに舞い散った桜の花が浮かぶ水槽からパチリ。
桧原橋バス停を過ぎると右手に架かっているのが桧原橋。
この道標にもあるように今まで歩いて来た道は県道53号で、前方と檜原橋方向は国道42号だ。
桧原橋にて休憩となった。私は散策を続け、
橋の上から宮川の下流側をパチリ。前方に尖って見えるのは古ケ丸山だ。
また、大台町営バスが通り過ぎた。折り返して来たバスだろうか? そのバス付近には
山の神他が祭られている。おばあちゃんがお参りしていた。
橋の上での私の足元は橋の継ぎ目。歯車が組み合わさったような雰囲気だ。この画像を覚えておいて後ででてくる画像と比較してみよう。時代の変化を感じることができるから。
休憩が終わりスタート。橋を渡るとすぐに左へ折れるのだが、その前に上流側に古い橋の名残を発見!
桧原橋を渡り、すぐに左へ折れる。ここから右岸のウォークを再開。するとすぐにまた橋が現れる。こちらは桧原谷川に架かる谷口橋。
橋の上から宮川の対岸を望むと
木造三階建てだ。外宮参道の山田館と伊勢市二見町でも見かけたが、非常に珍しい。
【参考】
こちらは川から頭を出したキングコング。案内人の方が教えてくれたのでパチリ。
しばらく黙々と・・・。参加者も後半の追い込み。
対岸には行きにバスで通過した落石防止用シェルターが見えた。
さらに歩くと新しい橋が見えてきた。
キラキラしている「持山橋」。
キラキラしているはずだ。「平成26年3月竣工」 私達が渡れる否かは微妙だったようだ。なんとラッキーなことか。
修復中の治山ダムがある上流側からパチリ。
さらに持山橋から宮川をパチリ。
そして、こちらが橋の継ぎ目。先ほどの桧原橋のものと比較するとこちらの方が安全性も高い。
持山橋を後にすると右手の右場を通過。
立派な塀を・・・、
この雰囲気、最近見かけた。
オヤネザクラとの接触を避けるために修復された旧豊宮崎文庫の練塀だ。
【参考】
そして、半次郎橋で左岸へ渡ると後はカラスキ谷公園まで左岸を歩いた。
半次郎橋 バスのりばの先に鳥居が見えた。
こちらは津島神社のようで、石段の手前左手には虚無僧石が置かれている。
【参考】
まずはお参り。
先に進む皆さんの姿を確認すると急いで追いかけた。
その前に虚無僧石をパチリ。
後は道なりに進むだけ。
スタート地点へと戻ると
この説明板の前で、周辺登山の話など・・。
そして長い一日が終了。
案内人の皆さんありがとうごさいました。参加の皆さんお疲れ様でした。
5月18日に第二区間でお会いしましょう。
では、また、
【 20140412 の記録 】
- 宮川ウォーク・右岸 第一区間集合場所カラスキ谷公園へ向かって
- 清流宮川の源流部から海まで歩こう!第一区間 宮川ウォーク・右岸
- 第62回神宮式年遷宮奉祝 西条だんじり・太鼓台奉納 動画あり