2014年09月30日(火) 宇治橋鳥居竣工に向けた西詰に立つ鳥居の建て替え作業 (車、徒歩)
第62回神宮式年遷宮、昨年に遷御の儀を終えた皇大神宮(内宮)および豊受大神宮(外宮)の旧御正宮が解体されそれらの棟持柱が宇治橋の鳥居へと再利用される。内宮の棟持柱は宇治橋東詰(宮域内)の鳥居の柱に、そして外宮の棟持柱は西詰の鳥居の柱となる。また、すでに宇治橋の両詰に立っている鳥居も再利用される。その行き先は、東詰の鳥居が亀山市の「関の追分」、西詰の鳥居が桑名市の「七里の渡し」である。
【参考】
- 東海道五十三次「関宿」の散策 「関の追分」
- 東海道 七里の渡しから富田(近鉄桑名駅~一目連神社) 「七里の渡し」
10月3日には宇治橋鳥居竣工式が執り行われるため、9月28日が宇治橋鳥居のくぐり納めだった。
「建て替えるということは宇治橋から鳥居が消える瞬間がある・・」
虫の知らせだろうか、何故か鳥居を見たくなり出勤前に宇治橋へと向かった。
宇治橋前に近づくといつもとは異なる雰囲気。
なんと、鳥居が横たえられていた。笠木はすでに柱から取り外された状態で
貫を柱から抜く作業が続けられていた。
柱をクレーンで吊り下げて・・・。
思わず、この鳥居が立っていた宇治橋の西詰を見つめてしまった。パチリ。
クレーンで吊り下げられた柱はゆっくりと左右に揺らされた。
貫はホゾ穴から少しずつ抜け出し・・・
その作業が続く中、新しい鳥居の柱、笠木等が2台のトラックで運ばれてきた。
そんな中でも作業は続けられた。
【動画】 59秒(5.4 MB )
根気よく繰り返すと
【動画】 1分18秒(7.9 MB )
貫は柱から抜け外れた。
続いては貫の反対側だ。
先ほどのトラックは御用材を吊り上げるクレーン車の近くへ停車した。
柱の土中に建て込まれる部分は銅が巻かれ輝いていた。
作業は新旧の鳥居、同時並行で進められていた。解体作業と組立の準備。
貫の反対側も柱から抜き外された。これで旧鳥居は分解が完了となった。
旧貫は旧笠木の上へと慎重に重ねられた。再利用されるためだろう丁寧な作業の連続だ。
新しい鳥居を組み立てるためには十分な作業スペースが必要となるため、この柱も移動。
旧貫の移動も・・・。
しばらく時間がかかりそうだったので、宇治橋を渡った。橋の中央付近から東詰を望むとこの時点での鳥居は古い状態だった。
西詰に目を転じると鳥居の柱が抜かれた穴はかなり大きかった。
私の影と比べてもその大きさが分かるだろう。
宇治橋の擬宝珠には防護用のシートが巻かれていた。
こちらの穴もかなり大きくて深い。
そして、柱の周りからこれだけの土が出ていた。
やっとスペースができたのでこの場所に戻ってきた。
ふと目に入った「右」の文字。それにしてもホゾ穴に入っていた貫の部分は新品同様だ。また、貫の角が面取りされていることに驚いた。
反対側も同様であった。
こちらは旧柱の土中建て込み部分。20年の歳月を感じさせてくれる。
広く空けられたスペースの端では
旧柱の汚れを落とす作業が行われていた。
その頭上を移動して新しい笠木が吊り上げられると
旧笠木の近くへと降ろされた。
続いては右の柱が降ろされた。多くの宮大工が出動しているが、予め役割分担されているのだろうか? 作業が滞りなく進められていった。
貫を指すホゾ穴部分のシートを剥がしている?
新しい貫はホゾ組の結合を強固なものにするために
金槌で叩かれていた。
この作業は外宮表参道の火除橋を掛け替える際にも見かけた。
ついに出勤時刻が迫り、タイムリミットとなったのでこの場を後にした。
この場に背を向けて駐車場へ向かったが
駐車場から出る際、建て替え作業が続けられている光景が目に入った。
新しい柱が立ち上がるところまで見ていたかったが、仕事なので仕方ない。