2016年01月31日(日) 山神の獅子舞神事(山田寺)(玉城町山神) (車、徒歩)
喪中のため二月上旬まで神社にはお参りできない。そのため今年は獅子舞や御頭神事を拝観することは断念していた。ところが諦め気分で沈んでいた時、ふと山田寺のことを思い出した。獅子舞神事の名は付いているもののここはお寺だから・・・。
獅子舞を拝観できるとなっても、例年なら1月の初めから御頭神事漬けとなっているのだが、今年は初めての獅子舞なので獅子舞モードのスイッチが入っていない。
山神の獅子舞神事は四年連続の拝観となるのであまり意気込まずにゆったりと獅子舞をしっかり拝見することにしようと・・・
【参考】
- 山神の獅子舞神事(山田寺)(玉城町山神) 2013年01月27日
- 山神の獅子舞神事(山田寺)(玉城町山神) 2014 動画あり 2014年01月26日
- 山神の獅子舞神事(山田寺)(玉城町山神) 2015 動画あり 2015年01月25日
( ※ 地域の概要や獅子舞神事の由来、次第についてはこれらのリンクに )
山田寺(山田禅寺)は玉城町山神地区の西、小さな山の麓に位置する。
山門をくぐろうとすると
門の右扉にはいつも通りにこの掲示。「マツカサは投げてもいいです!」
さらに、左扉には見慣れない掲示が・・・。今年から「・・獅子に頭を噛んでもらうのは有料(500円)・・」になっていた。
少し驚きながらも山門をくぐると境内にはマツカサが山と積まれていた。
まずはお参りし
雌雄の獅子頭に挨拶した。
午後2時45分頃になると
鐘楼の鐘が打たれた。
本堂では読経が開始され、住職が唱える大般若経が聞こえてきた。
読経が終わると住職の大般若経で法力を授かった雌の獅子が本堂の中で舞い始めた。(これを内舞し[なかまわし]と呼ぶそうだ。)本堂の前はカメラマンで溢れかえりITVのクルーも映像を撮るのが大変そうだった。遠くからパチリ。
内舞しが終了すると、黒面を着けた悪魔役の天狗(以下、黒天狗)が酒酔いの風体で宰領(さいりょう)に抱えられながら本堂から登場した。
黒天狗はフラフラとしながら筵の上を舞った。
筵の周囲にいる見学者は黒天狗を目掛けマツカサを投げ続けた。
筵の上にはマツカサが・・・
マツカサを投げつけられて怒った黒天狗は舞を終えると見学者を巡り、手にした扇子で彼らの頭を叩き続けた。(このしぐさは悪霊払い・無病息災・家内安全・五穀豊穣を祈願し、天狗に頭を叩かれた者はその恩恵を受けると・・)
「あれ、どこへ行った?」
再び筵に戻って来た黒天狗と対峙する少年が登場!
マツカサを投げつけると
それに反応した黒天狗が駆け寄った。
この対決はどうなった?
その後もしばらくは黒天狗が見学者の頭を叩き続けた。
黒天狗の活躍が一段落すると続いて赤面を着けた天狗(以下、赤天狗)も酒酔いの風体で登場した。黒天狗が迎えると
続いては二人(?)で舞い始めた。またまたフラフラと・・・、そしてマツカサが飛び交った。
時が熟すと赤天狗は黒天狗とともに見学者の頭を叩き続けた。
山門を出ると表まで追いかけて行った?
騒動が一段落すると、続いては獅子のお迎え。
ここで初めて獅子舞が開始された。その脇では黒天狗と赤天狗が・・・
まだまだマツカサは投げられた。
舞を終えた獅子は筵の中央に横たわった。
天狗は獅子の頭から四手[しで]をもぎり取ると
それを懐に忍ばせて見学者を回り始めた。袖の中へ賽銭を投げ込んだ者にそっと先ほどの四手を分け与えた。この四手は福を呼ぶとのこと。
天狗は動くと「ジャラジャラ」と音が鳴るほどに賽銭が・・・、天狗からは「重い」との声が漏れた。
続いてはもう一頭の獅子も登場し、すべての役者が出揃った。
雌雄の獅子はお互いに背を向けると雄叫びを上げるように伸び上がってから
・・・
まだまだマツカサは投げ込まれた。
両獅子は舞終えると
筵の中央に向い合って横たわった。
両天狗は先ほどと同様に獅子の頭から四手をもぎり取ると見学者を巡った。
その間、獅子は休憩・・・
扇子で風を送ってもらっていた。
四手の授与はまだまだ続いた。
天狗は獅子と見学者を行ったり来たり。
希望者を巡り終えた頃、
獅子が立ち上がるとひと舞した。
子どもたちはまだまだ元気だった。
天狗に注目していると獅子舞は終了となり
雌雄の獅子が並ぶと
本堂に向かって頭を下げた。
以上で獅子舞は終了となり、残るは子供の頭噛みだけとなった。
今年は有料制となったので、整理券を手にしたお母さんが子供を連れて集まってきた。積極的なカメラマンが多いので私はこの場を離れ
遠巻きで見学することにした。
獅子の回りにいるのはカメラマンばかりで噛んでもらう当事者が近づくのも大変な状況だ。
どうやら最後、
こちらの少年の頭噛みで山田寺の獅子舞神事は終了となり、
獅子は本堂へと戻った。
獅子が本堂へ姿を消すと、先ほどまであれだけ多くいた見学者の姿は瞬く間に境内から消えた。
残るは後片付けで筵の巻取りとマツカサ集め。
地元の方に混じり、玉城町佐田から見学に来ていた女性がマツカサ集めを手伝っていた。私も少しだけ・・・
境内は瞬く間に日常を取り戻した。
彼らもマツカサ集めに一生懸命だった。獅子舞神事の後継者だろうか?
今年こそは「獅子舞をしっかりと拝見しようと・・・」と心に決めていたのに結局は天狗に惑わされてしまった。「来年はカメラを持たずに来ようか? 無理だろうな?」
そんなことを考えながら山田寺を後にした。
「ありがとう!」 「では、また、」
【 20160131 の記録 】
- 山田新池の散策(玉城町山神)
- 山神の獅子舞神事(山田寺)(玉城町山神)