2016年08月11日(木) 宮川流域案内人の知人が立ち上げた「わたらいツーリズム」の下見ツアー (車、徒歩)
宮川流域案内人の知人、御村さんは自らが住む度会町の魅力を発信し、まちおこしになる活動に取り組み始めた。民間の旅行会社で働くことにし、利益を確保しつつも利益だけを追求するのではなく、各種団体と連携しながら地域資源を生かした着地型観光ツアー「地旅」を展開する。そのことにより度会町の魅力を発信し、度会町への移住や度会町でお店を開くきっかけ作りに寄与しようとしている。
その「わたらいツーリズム」なる企画の第一弾が、宮リバー度会パークにある「バザールわたらい」を起点とした徒歩による日帰り観光ツアーで、ガイドは地元を知り尽くした案内人が担当する。
モニターツアーの前に下見ツアーなるものを実施することになり、参加要請をいただいた。
素晴らしい地域おこしとなるように私も心して参加した。
集合場所である「バザールわたらい」に到着すると下見ツアーの参加者がひとり、ふたりと集まってきた。主催者である御村さんに挨拶するといきなりこの冊子が手渡された。これは今回の下見とは全く関係はないのだが、興味深いものだった。縄文人とMagazineを掛けた[縄文ZINE]。
参加者は主催の御村さんとガイドを担当する橋本さんおよび西村さん、さらにはさまざまな視点からのフィードバックを求めて招集された横輪町の中村さんと私。全員が宮川流域案内人だった。
今回のツアーは午前と午後の二部制でいずれか一方でも、両方の一日通しでも参加できるものだった。二部制のためスタートもゴールもザールわたらいに設定されていた。午前の部は久具都比賣神社を経由するルートで、午後の部は神宮御萱場に迫る(中へは入れないので)ものだった。
打ち合わせを終えてバザールわたらいをスタートすると
内城田大橋ヘ向かった。
内城田大橋にて案内人から説明を受けた内容はかなり豊富で、網羅すればこの場で20〜30分もかかることだろう。詳細を記してしまうとネタバレになってしまうので、ここではなるべくその内容を公開しないことにしよう。詳細を知りたい方はぜひとも「わたらいツーリズム」に参加していただきたい!
内城田大橋の下流側では宮川の水質維持に貢献している一之瀬川が合流し、その先に架かっているのが
飛瀬浦橋。
また、上流側にあるかご岩についても・・・
内城田大橋を渡り切るとこのバスのりばからこれから向かう山崎の大岩方向を望んだ。
アスファルト舗装された坂道を進むとその途中で右へ折れると地道へ入った。ここは旧道。
旧道の途中から左方向へ・・・
石段のある坂を進むと鳥居が建っている。
こちらが山崎の大岩で、下部には愛宕さんがまつられている。
大岩の右方向には下久具の町を見守る岩がある。
予定されているツアーコースはここまでだったが、オプションを検討するために大岩の上にある浅間山の山頂へ向かった。
程なく到着したところには「イセ Aoki」さんによる山頂標。
山頂には大日如来がまつられている。その像を挟むように浅間さんの御幣が二本、立てられていた。
下久具浅間山の頂上を後にすると大岩の鳥居をくぐり返して湧き水のポイントへ向かった。
その途中で庚申塔や山神・・・
旧道から車道を横断するとその先には
湧き水が・・・
この後は下久具のまちなかを進んだ。
海蔵寺および下久具公民館でトイレの存在と利用の可非を確認した。
次は、海蔵寺から遙拝所まで。
こちらは遙拝所の前に建っている道標。予定コースではここは直進だったが、ここでもオプション調査のため左折した。
その前に遙拝所前にて区長さんから話を聞いた。こちらの遙拝所は神宮と内城田神社を遥拝する場所らしい。
【参考】
- 天狗の舞、獅子舞(下久具の御頭神事) 2015年02月07日
- 天狗の舞、獅子舞(下久具の御頭神事) 2013年02月02日
オプションで訪れたのは御頭神事の獅子頭安置所。
【参考】
- 獅子頭安置所での祭典(下久具の御頭神事) 2015年02月07日
- 獅子頭安置所での祭典(下久具の御頭神事) 2013年02月02日
獅子頭安置所を後にするとお伊勢さん125社のひとつである久具都比賣神社を目指した。
その前に立ち止まったのは、このバス停。
「ふりがな」が無ければ「やまかわ」と読んでしまうが、正しくは「やまご」。このバス停のふりがなは「やまごう」となっていた。
バス停を後にすると稲が植えられていない田んぼについて雑談したり・・・
久具都比賣神社の社叢を眺めながら右折して川沿いの道を進んだ。
お茶の木の手入れだろうか?
程なく久具都比賣神社に到着。
こちらは初詣に訪れたことがあるほど私にも思い入れがある神社だ。
【参考】
- 初詣、外宮でも内宮でもなくお伊勢さん125社の久具都比賣神社 2014年01月01日
お参りを終えると社殿の裏手にあるクスノキの巨木を確認した。
さて、この幹周りは胸高で何尋だろう?
久具都比賣神社を後にするとその裏手にある上久具の渡し場跡へ向かった。ここでは渡しの再現の話題となり、まずはゴムボートか?
渡し場跡を後にすると
こんな足跡を無かけた。これはトラック、オリンピックだろうか?
社叢を遠望すると
久具都比売橋を渡った。
途中で倭姫姫の鬢水入れ方向を眺めた。
【参考】
- 久具都比賣神社の北にある湧水池「姫の鬢水入れ」 2014年12月31日
また、ここからは午後に訪れる神宮御萱場を遠望できた。
久具都比売橋を渡り切ると右方向へ進んだ。
右下に新しい度会町棚橋水源地が見えてくると
その先の階段を下った。
階段の下にはこのように県道38号の下にトンネルが設置されていた。小学生の通学用らしい。
頭上に注意しながらトンネルを抜けると左へと続く坂道を進んだ。
その先にあるのは蓮華寺。
山門をくぐるとお参り。
こちらには通海を供養した五輪塔。
【参考】
- 蓮華寺と内城田神社(度会町棚橋) 2014年12月21日
蓮華寺を後にするとこの場所から宮川を遠望した。あの場所は棚橋の御頭神事に参加する人々が禊をする場所だそうだ。
度会小学校の脇の坂道を道なりに進むと
案内に従って歩いたことがない道を進むと「古踊り場 棚橋区」の石柱が建っている場所へたどり着いた。
その先で右方向へ進むと
大悲山 法光寺の境内へ。その一画には御頭神事のための獅子頭を保管する大上殿が建っている。
【参考】
- 棚橋の御頭神事(度会町) 動画あり 2014年02月08日
本堂の手前に建つ薬師堂には大いなる変遷があった。
その沿革は薬師堂の左手に残されている鬼瓦の下に記されている。詳細はこの説明板を参考に・・、薬師堂は元は別の場所にあったとのこと。
大悲山 法光寺を後にすると薬師堂跡へ向かった。
その途中で、こんな広場や
こんな広場を通り過ぎた。ここは踊り場と呼ばれ文字通り盆踊り等が行なわれていたそうだ。
役場へと続く道路を横断すると
こちらが薬師道。かつてあった薬師堂へと続く道を表している。真っ直ぐ進むと
田んぼの向こう左側、今は宅地となっている場所が薬師堂跡だ。
右方向お車道を横断して三重県立度会特別支援学校の前を進むと先行した人たちが・・・
ここはお頭神事芋納所だった。珍しい風習だが、御頭が町内を巡って悪を集めるが、その際に芋なるモノに詰める。
その芋がこちら。
バザールわたらいへ戻ると午前の部が終了となった。
本来はバザールわたらいにて昼食となるのだが、今日は席を確保できなかったようで川口バスのりば付近にある飲食店での昼食となった。
昼食を終えると午後の部のスタート。
バザールわたらいからスタートの予定だったが、ここまで移動していたので途中で予定ルートに合流することになった。
バスのりばの向かい側にある坂道を上ると道路案内板が眼下に望めた。台風により大水の際、あの青い看板の下部まで水が上ったそうだ。
道なり進むと
立派な蔵で
素晴らしい装飾の瓦を見つけた。
ここで、右から来る予定ルートを合流して左方向へ進んだ。
こちらは少林山 安心寺。
本堂に向かって左側には
亀石が置かれている。
安心寺を後にしてさらに進むとこちらはお稲荷さんか?
途中で、神宮御萱場が近づいていた。
こんな風景も楽しみながら
・・・
ここでは敢えて上方へと進む旧道へ入った。
素晴らしい展望。
ここからは五里山橋に向けて一気に下った。
五里山橋バスのりばを確認してから道路を横断すると
五里山橋で一之瀬川を越えた。
その先には旧五里山橋の親柱が横たえられていた。
こちらは人気の有るパン屋さんとのことだ。
さらに進むと
まずは神宮御萱場を目指した。
神宮御萱場には入ることができないので、神宮御萱場を作る作業に奉仕した人たちの石柱を確認した。
実は今回のガイドのひとりである橋本丈男さんが案内人をつとめたツアーには何度か参加させていただいている。そのひとつは度会町が主催し神宮御萱場を巡るツアーだった。
【参考】
- 伊勢神宮御萱場とふるさと歴史館めぐり旅(度会町) 2014年12月07日
石柱で折り返すとこちらの農道へ入った。
その途中でパ〜〜チリ。
農道をさらに進むとその先にこの扉、フェンスの向こう側には
八大龍神雨乞瀧が落ちていた。
【参考】
- 五輪堂、八大龍神雨乞瀧(度会町川口) 2012年12月29日
八大龍神雨乞瀧でしばし心身を休めてから五輪堂を目指した。
「八大龍神雨乞瀧 50m」のところまでたどり着くと前方には五輪堂への階段が望める。
階段をゆっくりと上り五輪堂、その周辺には
多数の興味深い石造遺物等が残されている。
ここでは説明を聞きながら、御村さんが「大蛇は大水である」との持論を展開していた。
五輪堂を後にすると神宮御萱場をパチリ。萱が整然と育てられている様子がよく分かる。
さらに遠ざかってからも振り返って・・・
この後は私は歩いたことがない一之瀬川右岸へと向かった。
この手前を折り返せば五里山橋の方へ向かうのだが、ここはあえて直進した。
獣害防止用の柵の中へ入ると
その先は一之瀬川の右岸、川の水が気持ちよさそうだった。今日も熱い、暑い、アツイ。
程なく飛瀬浦橋へたどり着いた。
次の信号を右折して内城田大橋を渡ればゴール地点のバザールわたらいに到着だ。(しかし、今日は別の場所での昼食だったので、この交差点付近から車での移動となった。)
本ルートは午前の部が5.5km、午後の部が6.5kmなので1日を通しても12km。お昼の休憩を挟むので程よい歩きでの日帰り観光ツアーだ。さらに地元案内人の知識が豊富なので、歩くだけではなく自然や歴史文化に関する興味を満たしてくれる。
まず、初回のツアーターゲットは、「健康ウォーキング志向の60歳代以上が中心」としているそうだ。