2017年03月14日(火) にっぽん文楽in伊勢神宮、千秋楽@外宮特設舞台 (車、徒歩)
この土曜日から2017年3月11日(土)~14日(火)の間、外宮の第二駐車場では特設舞台にて「にっぽん文楽」が開催された。
にっぽん文楽とは、ユネスコの世界無形文化遺産にも登録され世界に誇るべき「日本のタカラ」である「人形浄瑠璃・文楽」が存続の危機に直面しつつあるため、その価値を日本人全般にアピールする新たな取り組みであるそうだ。 詳細はこちら、
【参考】
この土日は写真好学研究所写真展で手一杯だったので、13日(月)または14日(火)の夜の部の観覧を希望し応募したところ、14日夜(千秋楽)のチケットを手に入れることができた。
会社を早退すると【キタヰの妻と】とともに外宮へ向った。
まずは特設会場に入場、開演時刻まで40分以上もあったので私は会場を後にすると正宮へ向った。
北御門参道を進むと
正宮にてお参り。外宮特設舞台での上演なのでまずはこちらにお参りしておかなくては・・・
お参りを終えて参道を戻ると第二駐車場に設営されている特設舞台へと向った。
「にっぽん文楽」の幟旗に誘われてさらに奥へ進むと
こちらが入場口。以前、早朝の風景を記事で紹介したことがある。
【参考】
- にっぽん文楽の特設舞台(外宮第二駐車場) 2017年03月10日
再入場すると時刻は午後6時前(開演時刻は午後6時半)。
観客席の3分の2ほどが埋まっていた。
今回配付されたものは入場券と「にっぽん文楽」のパンフレットさらに四日市公演の案内だった。
上演前には写真撮影可能だったので、前回は叶わなかった特設舞台を撮影した。
この舞台は設計士・材木屋・宮大工が三位一体となって作り上げたもののようだ。
【参考】
それではその舞台をしばし眺めてみよう。
屋根にはクレーンで容易に吊ることができるように多数のフックがついていた。
また、土台にはこのように厚めの合板が積み重ねられて・・・
サイドにはチェーンがむき出しになっていた。こんな立派な舞台でも見栄えを気にしない部分があるとは、このメリハリが面白い。
照明の明るさが気になり始めると
空は徐々に明るさを失い、暗闇へと向っていた。
太夫と三味線が演奏する床の準備が進められ、定刻(6時半)になると
【参考】
- 舞台の構造 文化デジタルライブラリー | 独立行政法人 日本芸術文化振興会
(上演中は写真撮影できないので・・・)
今回の上演内容は
「二人三番叟」と「義経千本桜 道行初音旅」で、これらの間に解説が入った。解説では太夫による喜怒哀楽表現、世代・性別ごとの声の表現、さらには三味線のみ、太夫と三味線の組み合わせでのそれぞれの表現が実演された。
文楽、初体験の二人。最初は何となくボォーっと観ていたが、人形の動きが激しくなることその動きに見惚れていた。まるで生命が宿っているかのように滑らかにときにはしとやかに、さらには感情的に激しく・・・、何とも見ごたえのあるものだった。人形が扇子を回転させたり、扇子を飛ばして別の人形が受け取ったりとそんな場面は盛り上がった。しかし大声を上げていいものか?抑え気味の歓声が聞こえていた。
楽しい時間は早く過ぎるものだ。開演から約1時間半、寒さに凍えながらも人形の動きに魅入ってしまっていた。上演者全員が中央の舞台で挨拶を終えるとにっぽん文楽in伊勢神宮の千秋楽は終了となった。
多くの観覧者だったが、速やかにはけていった。
私も会場を後にすると
外へ出た。振り返ってパチリ、パチリ。
特設舞台は速やかに解体されるのだろう。惜しいと思いながらこの場を後にした。
訪れた時にはまだ明るかった北御門口だが今は闇に包まれていた。
感慨にふけりながら二人で夜道を歩いた。