2014年06月01日(日) 宮川流域案内人(インタープリター)養成講座 (車、徒歩)
外宮および瀧原宮にお参りしてから、宮川流域案内人(インタープリター)養成講座が開催されるエコミュージアムセンター宮川流域交流館たいきへ向かった。
到着したのが開始の約10分前。講座会場は宮川流域交流館たいきの隣にある「四季の店 旬彩」の
建物の側面にある入口から入った部屋(同じ建物)だった。
受付を済ませて着席するとこんな雰囲気。
定刻になると、宮川流域ルネッサンス協議会の事務局長である奥山さんの挨拶により始まった。
続いて、宮川流域案内人の会会長の巽さんの挨拶。
(実は「巽」の字は間違っていて、己は巳であるのが正しいとのこと。コンピュータ社会の元凶か?
そう言えば、大山祗神社の「祗」も「ネ氏」が正しい? この辺りは何とも難しい問題だ!)
そして午前の部、座学が始まった。最初の講師は宮川流域案内人の会副会長である中野さん。
講義の内容は、
- 講師をはじめ、参加者全員の3分間自己紹介(受講者は11名で個性派揃い)
- 宮川流域ルネサンス事業の変遷と概要
- エコミュージアムとは?
- インタープリターとは?
- エコミュージアムの世界および日本各地での活動の紹介 など
であった。
自称自然派人間で、仙人と呼ばれている巽さんによる体験談。
大杉谷の奥に住み続けて(山に入って)20年で得た経験の数々と、その自然を多くの人に知ってもらいたいと続けている活動の紹介、さらには宮川流域案内人としてあり方、行事を企画、実施、報告する際の注意点などが説明された。
以上で午前の部が終了すると昼食を挟み、午後からは野外へ飛び出た。
まずは、講義会場の隣にあるエコミュージアムセンター宮川流域交流館たいきを見学した。
中へ入ると
さかなクンの絵の隣に入口があり
そこには「てんじしつ」の案内板が掛かっていた。この手作り感がグッド!
そこでは宮川流域案内人が実施してきた数々の行事の歴史が紹介されていた。
各行事の代表写真に簡単な説明が添えられていた。やはり、積み重ねは偉大だ!
私が参加させていただいた行事も多数紹介されていた。強烈な印象を残しているのはやっぱり五身懸祭、さらには粟生の頭首湖での遊覧、三瀬の渡し・・・。
【参考】
- 五身懸祭 – 道中練り歩き(川添神社)
- 五身懸祭 – 神酒・弓射・万歳楽神事、苗松行事ほか(川添神社)
- 粟生頭首湖の遊覧と頭首工周辺の散策(大台町粟生)
- 地元の方々の尽力で復活した三瀬の渡し 動画あり
など
その後、宮川流域交流館たいきを後にすると車に分乗して、大滝峡 大台町青少年旅行村へ向かった。
大滝峡は、昨年に熊野古道伊勢路を歩いた際に横目に見ながら通り過ぎた場所、宮川流域案内人養成講座の実技であることも忘れて散策を堪能してしまった。
【参考】
ここからは受講者の新鮮な目で面白いと感じるもの、疑問点を見つけ出すトレーニング。
水車を見つけるとこの付近でホタル鑑賞会が実施されるとの説明。話はホタルの餌である「カワニナ」に及んだが、本物の「カワニナ」を知る参加者は???。私もその例に漏れず、名前は知っていたがその姿は知らなかった。名前だけを頭に残し、本物を知る行動に移れなかったのは残念だ。(反省)
なお、「カワニナ」の名を知ったのは宮川流域案内人の行事であった。大台町ふるさと案内人でもある筒井さんにはとてもお世話になっている。
【参考】 こちらが、「カワニナ」の名を知った行事
現場で「カワニナ」を探すが・・・、見つからず。
散策は続き、
「水戸神神社、おんべまつり」の案内板の先へ進むと
ヒノキとスギの相違・・・。葉で見分ける方法は知っているがなかなか幹だけで判断するのは難しい。
案内人によりヒノキとスギの違いについての説明、さらには他の植物についても・・・。ムラサキシキブはたまたま自宅の庭に生えているのでわかったが、それ以上は植物にも不案内な私はついて行けない。
バンガローを左手に見ながらさらに先へ進むと視界が開けた。ここではマムシなど自然の中に住む危険動物に関する注意。
広場から木々の中へ入ると「みとのかみ神社」の社標を発見。
参道の先にて、シイノキの板状根についての説明。
そして、こちらが水戸神神社。ゆっくりとお参りする時間がなかったので、通りすがりに心の中でお参り。
社頭を過ぎると大内山川の右岸を下った。
そして、岩の上を・・・
ここが大滝峡だ。このような風景がかなり続いている。川面を覗くと川の水は濁っている。
上流側を望むと鉄の手摺が見える。あの場所がおんべまつりの祭場だ。
【参考】
「おんべまつり」は7月の第一日曜日に斎行されるとのこと。今年の予定に入れとおこう!
こちらは水戸神神社の脇から祭場へ向かう道、しめ縄が張られていた。
そして、手摺を手繰りながら鉄の橋を下るとここが鮎を投げる場所、そしてその鮎が入るべきは前方に見える岩の上部にある小さな穴だ。おんべまつりでは、解禁日前に捕った12匹のアユが投げられ、アユが穴に入った数で豊作(?)が占われるそうだ。参加者のひとりが「アユ(鮎)には占いの文字がついている。」の発言。
説明が終わりこの場を離れようとした時、JR紀勢本線の列車が通り過ぎた。このような場所では電車が好きな方、写真が好きな方向けの行事が設定できる?
水戸神神社を後にすると大内山川の右岸を遡った。
その途中で、先ほどの祭場を俯瞰してパチリ。
バンガローが林立する場所へ戻ってきた。
続いて、大内山川に下った。ここは滝原ダムの下流側。石に興味がある人にとっては面白い場所? 案内人からはさまざまに気づきが与えられる。
この場で、参加者のひとりが鼻笛を取り出して演奏し始めた。鼻笛の存在は知っていたが本物を見る、さらにその音色を聞くのは初めてだった。なかなか面白い楽器(?)だ。
【参考】 面白そうです! また、興味の寄り道になるか・・・
滝原ダムを遠望。
滝原ダムに近づいて、
説明板をパチリ。
雰囲気のあるダムだ。
滝原ダムは水力発電用のダムだがここには発電所はなく、ここから約6km下流にある長発電所へ水を送るための取水ダムである。なお、長発電所は宮川ダムを建設するための電力を供給するために造らえたそうだ。
ダム上に設置された通路を進むと開扉用のワイヤー巻取り機、
この付近から下流側を覗くと
魚道があった。これならアユも遡上できるのだろう。「あっ、アユが跳ねている!」目の前で遡上するアユを確認できた。
上流側を覗くとここが長発電所へ導水するための取水口。
上流側をパ〜チリ。
すでに宮川流域案内人養成講座の受講者であることを忘れ、行事の参加者として純粋に散策を楽しむ私がいた。
サイクリングロードに沿って進むとロード脇には先ほどの取水口から長発電所への導水路が走っていた。
この辺りは水に混じった砂を沈殿させる場所だ。
ロードを進むと
途中でロードを離れ・・・
大紀町郷土資料館へ向かった。
大紀町郷土資料館に到着。自然を楽しんだ後は、歴史を・・・と観点を切り替えると行事の幅が広がる。
大紀町郷土資料館に入ると
宮川流域案内人でもある館長の小倉さんから説明をいただいた。
こちらは瀧原宮々域の原生林に生えていた兄弟スギ(太郎杉、次郎杉)の弟分である次郎杉。
その由緒はこちら。
ちなみに、太郎杉の切り株は神宮徴古館(農業館? 2014年06月07日、神宮徴古館を訪れて確認したところ新館に置かれていた。)に置かれているとのこと。
大紀町郷土資料館の展示物で興味深かったのは、これらの品々。言葉がでない!
大紀町郷土資料館を後にすると大滝峡を後にして
エコミュージアムセンター宮川流域交流館たいきのある阿曽温泉へ戻った。
野外実習の振り返りにて宮川流域案内人(インタープリター)養成講座は終了となった。
さまざまな思いを胸にこの地を後にした。
今回の講座はさまざまな刺激が得られ非常に有意義なものであった。
ただし、お伊勢さん125社のお参りを目的に巡りたい方をサポートできればとの思いから本講座を受講したのだが、やはり宮川流域エコミュージアムの行事としてはなかなか難しそうであることを実感した。駐車場、昼食場所、トイレ、関係機関との折衝などなど・・・本質以外の部分で大変なことが多い。週末しか時間がとれないし、ことしは別宮の遷御もあるので・・・・。
しばらくは宮川流域エコミュージアムの行事に参加、サポートとして携わり、「お伊勢さん125社」については個人として同行者を募る方式でこぢんまりとした活動を検討したい。
宮川流域エコミュージアムの行事として実現できそうなテーマは「御塩道ウォーク」か?
【 20140601 の記録 】
日別朝夕大御饌祭のための忌火屋殿からの煙、ほか
(続)外宮正宮の解体と土宮の御造営準備
朔日参り(瀧原宮)遷御に向けた御造営の現状
宮川流域案内人(インタープリター)養成講座
変化(へんげ)する坂井の常夜燈(度会町坂井)
長原神社と麦秋(度会町長原)