2015年09月12日(土) 神様ごめんなさい、新米を食べちゃいました!(むかしのくらし博物館、大紀町金輪) (車)
「神様、ごめんなさい。新米をたべてしまいました。」 神嘗祭、新嘗祭を待たずして新穀を食してしまった。
それは、度会郡大紀町金輪にある「むかしのくらし博物館」にて実施された「農業体験 田植、稲刈りした新米を食べよう!」に参加したからだった。
金輪には一度だけ訪れたことがあったが、それっきりとなっていたので再訪したいと思っていた。
【参考】
- 農村体験ツアー(日本一のふるさと村) 2010年09月04日
今回の企画は宮川流域案内人である柳田さえ子さんによるもので、宮川流域エコミュージアムの行事として紹介されていたのでぜひとも参加を希望し、金輪を訪れた。
農業体験 田植、稲刈りした新米を食べよう!*追加募集
4月29日に田植え、8月29日に稲刈りした新米を、かまどで炊きあげる体験をし、博物館の漆塗り本膳(一の膳のみ)で新米ご飯のランチを味わいます。
一の膳の内容(ご飯・みそ汁・肉料理・野菜料理2品・漬物)。
小学校低学年で昼食不要な方は無料(新米ご飯のみ食べられます)。開催日:平成27年9月12日(土)10時集合~13時解散予定 *屋内のため雨天決行
集合場所:大紀町金輪404 むかしのくらし博物館
車のナビでは七保小学校を越えた辺りで左方向、老人福祉センターへと曲がるように指示が出たがそれを拒否して金輪橋まで道なりに進んだ。
金輪橋で藤川を越えるとふたつ目の丁字路を右折。左方向にむかしのくらし博物館が見える。
車を駐めると駐車場からパチリ。まだ、刈りとられていない稲越しに・・・。
道路からむかしのくらし博物館へのアプローチには獣害防止用の扉だろうか、網の扉が準備されその前には郵便受けが設置されていた。
坂道を下り先へ進むと建物の壁面には「むかしのくらし博物館」の文字が描かれている。
200年前から古民家である「むかしのくらし博物館」。
玄関の右側には次の看板が掲げられていた。集合時刻の30までに到着。
玄関の引き戸を開けると柳田さえ子さんが迎え入れてくれた。
柳田さんは、むかしのくらし博物館の館長であるとともにさまざまな肩書(NPO大紀町日本一のふるさと村 理事、グリーンツーリズム インストラクター、宮川流域案内人)を持つ方で、とにかく元気で明るくその語り口にはなぜか引き込まれる魅力的な方である。
まずは古民家の内部をざっと拝見すると、早速作業にとりかかった。参加者が分担してこの場での生活を体験できるように本日の企画に必要な作業を残しておいてくれたとのこと。米とぎ、薪割りなど・・・。
まずは、建物の内部を見学。
玄関を上がって左側の部屋。
さらに奥の部屋には二階への階段があった。
こちらは資料部屋。興味深い資料があり、一日でも二日でも過ごせそうな心地よい空間だった。
そして、こちらが本日の役者のひとりであるかまどがある台所。
続いて、流しのある場所へ移動すると窓からは葉たばこ乾燥小屋が見えていた。
他の方が薪を割り、
私は米を研いでから水を張った。参加者が炊きあがった米を口にするまで水加減が気になって・・・。
作業を終えると集合時刻まで時間があったので、五右衛門風呂の焚口と
五右衛門風呂を見学。
そして、定刻を過ぎると本日の企画が開始された。「この輪は何だろう?」
かまどの口に様々な羽釜を乗せても火のあたりが同じようになるように、口径を自在に変更するためのもの。そんな生活の知恵の紹介で始まった。かまどに羽釜が乗せられると
特製の思い木蓋を乗せ、火が点けられた。
丸めた新聞紙の上に杉の葉を乗せて火種が準備されたら薪をくべる。
薪に火が点くと周囲には煙が充満し始めた。
この煙が周囲の木材を黒くして、虫除けなどに役立っているのだろう。
しばらくすると
羽釜と蓋の間から蒸気が噴き始めた。これで薪を外して余熱で10分から15分。おコゲができないほどの炊きあがりになるそうだ。(私は、この時点でも水加減が心配で・・・)
今回は本膳料理(こちらで提供する本膳料理は一の膳とニの膳がある)の一の膳のみで構成される料理となっていて、次の膳が準備されていた。
ごはんが炊きあがるまでの時間、しばし館内を見て回った。これは何?(あとで何かはわかる。)
こちらは、最後尾に紹介したむかしのくらし博物館の説明資料の3ページに掲載されていた稲藁で編んだ年魚(あゆ)の本物。かなり感動的だった。口の雰囲気は最高!
さて、こちらはなんだろう。ぜひ、博物館を訪れて確認してみては!
こちらは先にも紹介した資料コーナー、
本居宣長の古事記傳が並んでいた。
そして、箪笥の引き出しを開けると私にとってはお宝のような資料が出てきた。これは第61回式年遷宮瀧原宮御木曳の際の資料だった。
その裏面には木遣唄の歌詞が記されていた。
玄関にはこんな電話機と電話番号。
さらに、二階への階段を昇るとその部屋の奥には
こんなものが置かれていた。上棟祭で使用された木槌。
先日に拝観した松下社の上棟祭を思い出してしまった。
【参考】
- 松下社、上棟祭・餅まき(伊勢市二見町松下) 2015年09月05日
そろそろ時間となったので一階の台所へ戻ると炊きあがったごはんがお櫃に移されていた。
また、おかずは予め調理されていたものに最後の仕上げ・・・
ほどなく、一の膳が完成した。
各人が膳を持ち、仏壇のある部屋へと運ぶと
車座の食事席が完成した。
柳田さんの解説の後、「いただきます。」
今回のメニューは一の膳のみなのでランチ膳で肉主体。通常提供している本膳は鮎を中心として膳は二種類ある。こちらがサンプルとして紹介された。
米作りに携わった瀬古悦生さんから今年の米作りの苦労などを伺ったり、さまざま話に花を咲かせながらのあっという間の昼食だった。興味深いことは多数、米作りの肥料に塩をいれていること、窒素が多いと甘みが少なくなくこと・・・。
かまどで炊き上げたごはんはもちもちと噛みごたえがあり、ごはんだけでも味があった。こんな美味しい新米を先に頂いてしまい、神様ごめんなさい!
その後は全員で後片付けを終えると、おみやげのおにぎりをいただき解散となった。
私はこの場を離れがたく、再度館内を見えまわった。最初の疑問の解を発見、これは虫カゴだった。
さらに、こんなローソク立てを紹介してもらった。竹製の見事な作品、素晴らしい。
そろそろむかしのくらし博物館を後にしようと玄関へ向かうと館長の柳田さえ子さんがMCTVのインタビューを受けていたので、奥の部屋へと引き返した。
そこで、本膳料理の食器が納められている木箱とその前に置かれていた本膳のサンプルをパチリ。
こちらが本膳のサンプルで、2,500円にて提供されている。
本膳に興味のある方は、こちらのパンフレットを
そしてこちらが「むかしのくらし博物館」の説明資料。
今後も訪れるため、すべてを見尽くすことなく、博物館(古民家)を後にした。
「ごちそうさまでした。」、そして、自分自身に再訪を約した。
【 20150912 の記録 】
- 神様ごめんなさい、新米を食べちゃいました!(むかしのくらし博物館、大紀町金輪)
- 「むかしのくらし博物館」周辺の散策、滝に神社に・・・(大紀町金輪)