2017年08月16日(水) 上條の渡し跡付近でのアシハラガニとの戯れ(宮川) (徒歩)
伊勢市御薗町小林のかんこ踊りや灯篭流しの名残を感じてから宮川の川辺を散策していると
こんな場所に惹かれてしまった。微かにガサガサと音が聞こえる。
石積みを下り泥のような地面に足をつけると靴底がその中へ2cmほど吸い込まれた。少し驚きながらのガサガサの発信源を探すと数えられない程のカニがウロウロしていた。(アシハラガニかヒメアシハラガニかがわからなかったので、甲羅の大きさからアシハラガニとしておいた。)
私の存在に驚いたのだろう一斉に動き出した彼らはそれぞれ石と石の間へ隠れようとするが、この場所が狭いものだから渋滞となってしまった。
下から入れないものは危険を顧みずに上方向へと動き出した。
また、こんなところでガサガサしているものも・・・。空き缶の上を動き回ると何とも表現できない音がする。爪が立たずに滑っているが必死に足を動かしているように聞こえる。
彼らだ。
危険が過ぎるのをじっと耐えている様子だったので、私は早々にこの場を後にした。
この場所は
この塔に案内板があるように
上條の渡し跡だった。
上條の渡し
江戸末期に書かれた地誌本「勢陽五鈴遺響」の中に「豊宮川下流本邑の北にあり、上條より渡すところなり故に上條の渡しという」とあるように、この渡しは江戸期から利用されていた。
宮川の本流、支流が貫流していた御薗村では、往時から昭和の時代まで渡しの舟の利用度は高く宮川本流を渡り対岸の豊浜、北浜地区へ行くのに「上條の渡し」が利用されていた。
昭和十八年五月には廃止届が提出された。その後も細々と続けられていたものの昭和二十二年頃自然消滅となり現在に至っている。
案内図を拡大すると右岸は高伝寺の辺りから出ていたことになっている。
先ほどアシハラガニと戯れた場所を遠望してから
高伝寺を訪れた。