地域の資源発見講座 歴史文化編(地域資源と文化財の「魅力」について)度会町地域資源を守る会

2016年11月26日(土) 地域の資源発見講座 歴史文化編(地域資源と文化財の「魅力」について)度会町地域資源を守る会 (車、徒歩)

度会町地域資源を守る会が主催する地元向けの講座だけど、前回特別に参加させていただいたらとても面白かったので、今回もお願いした。(今回は公開型で度会町以外の参加もOKのようだったが)

【参考】

 

今回の案内、スケジュールはこちら。

「地域の資源発見講座 歴史文化編 11/26土」の案内

「地域の資源発見講座 歴史文化編 11/26土」の案内

 

盛りだくさんの内容だったので記録は3部構成とした。

  1. 地域資源と文化財の「魅力」について
  2. 歴史文化の講座と立岡地区の地域資源
  3. 立岡城跡と地区内のフィールドワーク

 

まずは、午前中に実施された「地域資源と文化財の「魅力」について」。

度会町の中央公民館を訪れると

度会町中央公民館(度会町棚橋)

度会町中央公民館(度会町棚橋)

 

玄関の前ではこんな光景が望めた。建設中の風車を見ると獅子ヶ岳登山道『全面通行止め』を思い出してしまう。

度会町中央公民館前から望む度会ウィンドファーム新設工事

度会町中央公民館前から望む度会ウィンドファーム新設工事

 

風車を背にして公民館へ入ると

地域の資源発見講座 歴史文化編(午前)(度会町中央公民館)

地域の資源発見講座 歴史文化編(午前)(度会町中央公民館)

 

受付を終えた。受付で町外であることを伝えると「住所を書いていただければ今後連絡を差し上げます」とのことで、記入しておいた。

地域の資源発見講座 歴史文化編(午前)(度会町中央公民館)

地域の資源発見講座 歴史文化編(午前)(度会町中央公民館)

 

講座が開始されるとまずは本講座を主催する度会町地域資源を守る会の会長である橋本丈男さんによる挨拶。

地域の資源発見講座 歴史文化編(午前)(度会町中央公民館)

地域の資源発見講座 歴史文化編(午前)(度会町中央公民館)

 

橋本さんには以前に度会町が主催する「伊勢神宮御萱場とふるさと歴史館めぐり旅」で御案内いただいてからお世話になっている。(Facebookの友達でもある)

【参考】

 

橋本丈男さん(わたらい町ちいき資源を守る会 会長)

橋本丈男さん(わたらい町ちいき資源を守る会 会長)

 

 度会町地域資源を守る会は県による物語おこしプロジェクトに参加したことを起源として平成23年に発足された。そして、今回のテーマともなっている地域資源とは何か。地域資源とは自然(山、川、滝、農産物、)や文化(城跡、神社仏閣、方言、郷土料理、)、人など多岐に渡り、全てが宝物である。なかでも最も重要な資源は人および人と人とのネットワークである。

 

【「地域資源のお話し」(会長 橋本丈男さん)】

挨拶に続いては午前の講演が二本。まずは先ほど挨拶された橋本さんによる講演だ。

「地域資源のお話し」(会長 橋本丈男さん)

「地域資源のお話し」(会長 橋本丈男さん)

 

ここではプロジェクタを利用し、写真を見ながら今回の講座で対象となっている内城田地区の主な地域資源が紹介された。

「地域資源のお話し」(会長 橋本丈男さん)

「地域資源のお話し」(会長 橋本丈男さん)

 

対象を列挙すると次の通り。

鮠川薬師堂(立岡と鮠川共有)
立岡城跡(立岡)
立岡墓地の東側参道際の石造物
うまのり石(大久保)
国束寺と国束寺大悲殿、境内の石造物
倭姫命の仮家井戸(平生)
浅間さん祭り(牧戸)
当番神事(牧戸)
神宮寺蓮華寺山門と本堂、池の西辺(棚橋)
薬師堂と薬師如来坐像(棚橋)
御頭神事(棚橋)
岩坂の大池(棚橋の大池)
観音堂と十一面観音立像(大野木)
庚申堂・歯の神・子安地蔵堂(大野木)
大泉寺の入口石柱、野原地蔵、子安地蔵、イチョウ(大野木)
河津坂道の庚申・河津神社跡・足神(大野木)
旧大野木神社と金毘羅石(大野木)
お大師さん(葛原)
米田屋敷の刀塚と八幡社(葛原)
山崎の大岩[岩窟](愛宕岩・ニラミ岩・兵五岩)
御頭神事(下久具)
久具都比賣神社(上久具)
倭姫命の鬢水入れ(上久具)
矢村の弁財天社(上久具)
田丸 弾正小弼(だんじょうしょうひつ)の墓(上久具 矢村)
蔵泉寺前の各種祠(田間)
両宮遙拝所と鏡石(当津)
鮠川大橋架設記念碑(茶屋広)

 

訪れたことのある場所やお祭りも多いが知識欲がないのだろう。深くを知れていないと反省。

皆さんは聞き入っていた。

「地域資源のお話し」(会長 橋本丈男さん)

「地域資源のお話し」(会長 橋本丈男さん)

 

【「文化財の魅力発信!」(竹田憲治さん)】

続いては「文化財の魅力発信!」のテーマ。度会町内の石造文化財の調査を担当し地元の方々と深くかかわっている竹田憲治さん(三重県教育委員会 社会教育・文化財保護課)が「身近な文化財を価値づける」と題しての講演。

「文化財の魅力発信!」(竹田憲治さん

「文化財の魅力発信!」(竹田憲治さん

 

「文化財の魅力発信!」(竹田憲治さん)

「文化財の魅力発信!」(竹田憲治さん)

 

ここでは石造文化財を中心に定義、特徴、研究事例および三重県の取り組みの紹介。三重県による(熊野参詣道伊勢路を結ぶ石造物)調査結果は「三重県石造物調査報告Ⅰ・Ⅱ」としてまとめられ各自治体や図書館に配付されている。

 

竹田憲治さん(三重県教育委員会 社会教育・文化財保護課)

竹田憲治さん(三重県教育委員会 社会教育・文化財保護課)

 

なお、調査はまだまだ続けられている。その一例は・・・

中村町墓地の曼荼羅石(伊勢市)
蓮華寺の五輪塔(度会町)
大五輪の五輪塔(伊勢市)
荒木田墓地の五輪塔群(伊勢市)
丹生神宮寺の宝篋印塔(多気町)
今北山墓地の宝篋印塔(伊勢市)
浄明院の宝篋印塔(多気町)
西方寺の宝篋印塔(南伊勢町)
田丸上町の石灯籠(玉城町)
上三瀬西村の山神供養塔(大台町)
地蔵院の供養塔群(南伊勢町)
土羽の砲術訓練所碑(多気町)
金剛證寺の巡拝塔(伊勢市)
今一色の鯨供養塔(伊勢市)
奈屋浦の支毘(しび)供養塔(南伊勢町)
石仏庵の石仏群・標石(玉城町)
甘露寺(古和浦)の供養塔(南伊勢町)
最明寺(贄浦)の供養塔(南伊勢町)
東宮神社の鳥居(南伊勢町)
仙宮神社の灯籠(南伊勢町)
昼田の宮川水害供養碑(玉城町)

また、津市の取り組みで白山町の石造物(悉皆)調査は実際の調査から報告書の執筆、編集まで市民主体で実施され、同様の取り組みが今は美杉町で続けられている。

 

「文化財の魅力発信!」(竹田憲治さん)

「文化財の魅力発信!」(竹田憲治さん)

 

最後に、地域の資源発見講座(午前)の締め括りとして「石造文化財調査」に必要なものと注意点、ポイントが示された。

「文化財の魅力発信!」(竹田憲治さん)

「文化財の魅力発信!」(竹田憲治さん)

 

地元を調べ、他者に伝えて楽しむためには何を調べるか?
鐘、年中行事、方言、寺社跡、渡し場、昔の古道、大樹(いわれ)、名所旧跡、地形・地理、岩、川、山、滝・・など 実は宝の山のなかに住んでいる。つまり調べるものは何処にでも有る。
まずは自分が楽しいことが重要で、調べれば調べるほど楽しくなる。自分が楽しく、仲間ができて、他社に伝えると輪が広がる・・・そして心も豊かになる。

「重要なのとにかく楽しむこと!」とのお言葉をいただいた。

 

【「町のたから物・発見」質問コーナー】

「町のたから物・発見」質問コーナーでは、度会町地域資源を守る会の事務局である御村一真さんが聞き手となり講師のお二人と対談形式で進められた。まずは講師の経歴が紹介された。お二人ともに学校の先生を経て今に至っていた。

「町のたから物・発見」質問コーナー

「町のたから物・発見」質問コーナー

 

「町のたから物・発見」質問コーナー

「町のたから物・発見」質問コーナー

 

会場から文化財の指定と登録の差異に関する質問があり、次の資料を利用して説明された。

「町のたから物・発見」質問コーナー

「町のたから物・発見」質問コーナー

 

また、世界遺産を例にすると、世界遺産になったからスゴイのではなく、スゴイから世界遺産になる。だからそれは文化財でも同じで指定して保護することが全てではない。例えば、伊勢神宮のように指定されなくても守られるべきものは守られる。

 

ほかには御村さんからかつて下久具に存在していた羽根村についての質問。(これは以前に千枝さんが言及していたことだなと思いながら聞いていた。)水害のために移住した集落であることは明快だが、伊勢の御師との関係までは・・・。

 

 

質問コーナーが終了すると、昔の郷土料理の試食としてうけ茶(ぢゃ)とサツマイモ葉柄のつくだ煮がふるまわれた。うけ茶とは煎り玄米とサツマイモのお粥であり、これらは「食」をテーマにボランティア活動を展開しているオニオンサークルが調理してくれた。

郷土料理(うけ茶他)の試食

郷土料理(うけ茶他)の試食

 

香ばしい香りと噛みごたえ、柔らかな白米に馴染んだ人にはパサパサ感もあり口に合わないかもしれないが、硬目のご飯が好きな私にはなかなかいけるものだった。サツマイモ葉柄のつくだ煮とともにいただくとつくだ煮の塩味がアクセントとなりぺろりと平らげてしまった。ごちそうさまでした。

郷土料理(うけ茶他)の試食

郷土料理(うけ茶他)の試食

 

なかには苦戦している方もいる様子だった。

郷土料理(うけ茶他)の試食

郷土料理(うけ茶他)の試食

 

以上で午前部が終了し、午後の参加者は立岡構造改善センターを目指した。

【 2016年11月26日 地域の資源発見講座 歴史文化編 の記録 】

 

Comments

  1. 佐藤です。

    「丹生」・「水銀朱」に興味があり、度会町のふるさと歴史館を2度訪ねました。
    奥先生にもお話を聞きました。
    先月もう一度お訪ねして先生とお話をしたかったのですが、生憎退任されたのことでした。
    (先生は覚えていないでしょうが私の一方通行ですが)

    ブログ楽しみにします。

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